ベンヤミン=グンナー・コールス校訂新版による
ブルックナーのミサソレ
気鋭の指揮者ウカシュ・ボロヴィチ
RIAS室内合唱団と
ベルリン古楽アカデミーが演奏!
2017年6月25日ベルリン・コンツェルトハウスで行われたコンサートで、ブルックナーの「ミサ・ソレムニス」の演奏史に新たな1ページが加わることになりました。演奏は、RIAS室内合唱団、ベルリン古楽アカデミー、ポーランド出身の指揮者ウカシュ・ボロヴィチ。ブルックナーの「ミサ・ソレムニス」は、1854年3月24日に死去した聖フローリアン修道院長アルネートの後任として選ばれたフリードリヒ・マイヤーの就任式(1854年9月14日)のために書かれ初演されました。当日就任式典に招待されなかったことでブルックナーは腹を立てていた、などという逸話もありますが、当日の演奏は、ロベルト・フューラー、ヨーゼフ・アイブラー、ヨハン・バプティスト・ゲンスバッヒャーらの3つの小品とともに演奏されたという記述をボロヴィチが見つけ、国際ブルックナー協会とドイツの音楽学者ベンヤミン=グンナー・コールスの協力のもと、このRIAS室内合唱団とのコンサートのために新たに校訂されました。コンサートは、当時の演奏順によって行われ、当盤に収録された演奏は、この版による初の録音となりました。ソリストには、2017年ザルツブルク復活祭音楽祭でティーレマン指揮≪ワルキューレ≫でゲルヒルデ役を演じたヨハンナ・ヴィンケル。モーツァルトの歌い手として世界中の劇場を回っている今をときめくメゾソプラノ、ソフィー・ハームセン。バロックものを得意とするテノール、セバスティアン・コールヘップ。そしてテルツ少年合唱団でボーイソプラノとして活躍し、2018年現在はバリトンとしてオペラ、リサイタルなど幅広い舞台に立っているルートヴィヒ・ミッテルハンマーと現代を代表する歌手たちが揃っています。
<ウカシュ・ボロヴィチ>
1977年にワルシャワで生まれ、ワルシャワのフレデリック・ショパン音楽アカデミーでボグスワフ・マーディとアントニ・ヴィットに師事。指揮で博士号を取得した。2005-2006年のシーズンにはポーランド国立ワルシャワ歌劇場でカジミエシ・コルドのアシスタントを務めた。それ以前はワルシャワ・フィルでアントニ・ヴィットのアシスタント(2002-2005年)、ブダペスト祝祭管弦楽団でイヴァン・フィッシャーのアシスタント(2000-2001年)を務めている。2006年にはポズナニ・フィルハーモニー管弦楽団の首席客演指揮者に任命された。文化省から複数の補助金を授与され、トレント(1999年)、アテネ(2000年)、ポルト(2002年)、バンベルク(2004年)の4つの指揮者コンクールで入賞している。またポリティカ・ウィークリーより「パスポート」賞(2008年)、その他にポーランド音楽賞(2011年)、ノルヴィッド賞(2013年)、タンスマン賞(2014年)を受賞している。
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2018/02/05)
当盤の軸になるミサ・ソレムニスをブルックナーが書いたのは30歳の頃。まだ偉大な交響曲群を作曲する前で、聖フローリアンの正オルガニストを務め、もっぱら宗教合唱曲やオルガン曲をこしらえていた頃だ。敬虔なカトリック教徒だった彼の姿勢を地で行くような清澄な音楽が綴られているが、そこはやはりブルックナー。あの昇天を目指してうごめくような躍動の萌芽が確かに感じられる。今回、ボロヴィチが式典での初演当日の演奏記録を見つけ出し、その配列のままに演奏。しかもコールスが施した新校訂版による初録音。ドイツ屈指の合唱団、RIAS室内に、ベルリン古楽アカデミーが加わり、成熟した恬淡の音楽を聴かせてくれる。
intoxicate (C)森山慶方
タワーレコード(vol.133(2018年4月20日発行号)掲載)