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在庫わずか| フォーマット | SHM-CD |
| 発売日 | 2016年09月28日 |
| 国内/輸入 | 国内 |
| レーベル | ユニバーサルミュージック |
| 構成数 | 1 |
| パッケージ仕様 | - |
| 規格品番 | UCCU-5681 |
| SKU | 4988031172117 |
構成数 : 1枚
合計収録時間 : 01:11:38
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あんたはどっちだったんだろうなあ。
いやむしろ、他の子が滑り台で滑ってるのを見てるのが好きだった、
そういう性質(たち)かい?
どんなに長い滑り台を滑ってたって、いつかは地面に到達する、そんな風にどんなに記憶の滑り台を滑っていって過去へ過去へと下っていっても、
ある地点で不意に止まってしまう。だがあんたはそんな具合に一気呵成に記憶の底まで下っていったりするよりは、
階段を上り下りしたり踊り場で佇んで駄弁ったりしたりするように
記憶を行ったり来たりまさぐったり指折り数えたりする方がよかったんだろう?
北欧の白夜が、夜の時刻まで昼を引き延ばして光らせるように
青春を可能な限り引き延ばしてずうっとしぶとく発光させる、そんな生き方もあるが、
あんたは青春と暗夜とを綯い交ぜにして寿命の灯火を点滅させることが生甲斐だったんじゃないか?(自分では気付いていなかったかもしれないが……)
あんたは滑り台を滑るところだけでなく滑り台の階段を昇るところもよく見ているんだねえ。
だしぬけに陽が墜ち、あんたは昼の闇を、記憶の夜を、彷徨い出す、
一歩一歩、己の足取りを確かめつつ無常の中へと足を踏み入れ。