76年5月、サンフランシスコの名門クラブ、キーストン・コーナーで行われた、スタン・ゲッツ・カルテットの未発表ライヴを収録したアルバムが国内盤仕様で登場!!
70年代のゲッツと言えば、コロムビアの作品群を振り返ればわかるように、実に多彩。リターン・トゥ・フォーエヴァーを結成した直後のチック・コリア&スタンリー・クラーク、そしてトニー・ウィリアムス、アイアート・モレイラといったメンバーをバックにしたクロス・オーヴァーな作品『Captain Journey』あり、スヌーピーのジャケットでもおなじみ、ラロ・シフリンとの共演を記録したライト・タッチな『Children Of The World』あり、ジョアン・ジルベルトと再会したセッション作品『TheBest Of Two Worlds』あり、そして、ジミー・ロールズの名曲をタイトルにした『The Peacocks』・・など、その活動は、多様さを見せます。しかし、この時期の数々のコンサートでのパフォーマンスが饒舌に語るように、ライヴにはまた別の顔のゲッツが。ジョアン・ブラッキーン、クリント・ヒューストン、そして、ビリー・ハートといったトリオをバックにした演奏はワン・ホーン・カルテットの美学が溢れます。そして、ライブならではの熱さが魅力的。乱れなく、どこを切り取っても歌心が響く美しいフレージングを繰り広げつつ、時には青白く燃える炎のようなパッションを込めた演奏は、正にライブならでは。実際、生のスタン・ゲッツを聴いた人々が"その演奏は、意外なまでの力強さに満ちており、微妙な音色の変化にも驚く"と口々に語っていますが、本作は録音状態もすばらしく、この時期のスタン・ゲッツの姿を鮮やかに伝えてくれています。一方、60年代の経験からカルロス・ジョビン&ヴィニシウスによる"O Grande Amor"のようなボサ名曲も一曲披露。サウダージがにじむサックスは、正にゲッツ・ワールドの真骨頂ですし、またホレス・シルヴァーの至高の名バラード"Peace"も、ビブラートをかけた音に哀感が滲んで印象的です。数々のおなじみのスタンダード・ナンバーが奏でられた名ライブ。
発売・販売元 提供資料(2016/02/15)