2011年リリース『太陽の光』、2013 年『緑の森』に続く、平田王子さん、渋谷毅さんのデュオ・ユニット"ルース・ド・ソル"の第三作が完成しました。作品は、ちょうど2 年おきですが、そのあいだには、全国各地で、多くのライブも行ってきた二人。時とともに、集まった人々や感銘を受けた人の口づてによって、じわじわとファンを増やし、第一作『太陽の光』は今や完売。また、『緑の森』以来、新たな曲の演奏に物語を感じていたファンも多く、待望の新作といえましょう。
そんな新作は、基本的に、"不変の音楽空間!"演奏されたのは、数々のブラジリアン・スタンダード、そして二人のオリジナルを中心にした12 曲。まぎれもなく『太陽の光』『緑の森』の延長線にある"今の二人"の音楽と言えましょう。しかし、その世界観は、不変でありつつも深みをたたえ、冒頭一曲目からあふれ出すものがあります。今回も作品は、アントニオ・カルロス・ジョビンの曲で幕開けしますが、アコースティック・ギターとピアノの柔らかく、優しい響きに、憂いも混じったヴォーカルが重なるとき、ジョビンが描き出した、甘美で切なさが混じり合った"サウダージ"の感覚が溢れ、その数分で、聴く人々をブラジル音楽の内奥へ、そして、このデュオの世界に誘うのです。
楽曲がもつ美しさの本質を見つめることから生まれるスピリチュアリティ、感情の機微を描き出す、鮮やかかつ繊細なアレンジ、そして豊かなニュアンスで描き出す演奏。初共演は2002 年。デュオの世界は、時とともに深化し、この作品では、一つの果実が実った感覚を覚えます。もっとも、そんな形容に二人は、"美しさに向き合ってきただけ"と、笑うのかもしれませんが。。
ジョビンの名曲に、瑞々しい表現で連なる2曲目のオリジナルは、さながらボサ・スタンダードのよう。一方、タイトルにつながるきっかけとなった3曲目の演奏には静けさの中にもわき上がるような祈りが表現されたもの。一音一音を切実なまでに奏で紡いだ演奏は、心の深いところを揺さぶってあまりあります。そんな中、今回の魅力はまたM5、M9と言った躍動感があふれる楽曲たち。平田さんいわく、「サンバのようなリズムの渋谷さんの演奏も、とってもいいから、ここではそんな渋谷さんのピアノも届けたかった」とのことですが、これらもまた、共演を重ねて来たからこそ引き出された一つの魅力と言えそうです。おなじみとなりつつある心を解放するような極上のハワイアンを1曲、渋谷さんの味わい深いヴォーカルも2曲収録。ノスタルジー溢れるメロディ、ヴォーカルによるたおやかなラスト曲まで、作品は深い余韻を残します。
さりげない日常の一頁を語った音楽のようでいて、普遍的な美しさに満ちた物語。ブラジル音楽をルーツに、しなやかな感性が響き合う、とっておきのデュオ作品の完成です。
発売・販売元 提供資料(2015/11/24)