ゲルギエフがロンドン響を指揮して、あらたにベルリオーズのシリーズをスタート。第1弾の「幻想交響曲」と序曲「ウェイヴァリー」は、2013年の秋、当コンビがシーズンの目玉に掲げたベルリオーズ・プロジェクトにおける公演の模様をライヴ収録したものです。ゲルギエフ2度目の「幻想交響曲」は、ウィーン・フィルを指揮した当時のフィリップスへのセッション・レコーディングが2003年でしたので、このたびは10年ぶりの再録音ということになります。
よく知られる通り、ベルリオーズはロンドン響にとって、この作曲家のエキスパート、サー・コリン・デイヴィスのもとで半世紀以上に亘って共に取り組んできた、もっとも得意とするレパートリーのひとつ。膨大なディスコグラフィを構築する過程で、デイヴィス指揮でロンドン響は「幻想交響曲」について、2度もレコーディング(1963年セッション、2000年ライヴ)を果たすほどで、演奏内容はその音楽語法を体得してきた自負を感じさせる説得力の強いものでした。
ちなみに、ロンドン響はこの間、1967年にブーレーズ、1975&76年にプレヴィン、1977年にパイタ、1988年にフレモー、1989年にスクロヴァチェフスキと、じつにさまざまな指揮者とも「幻想交響曲」のいくつもの個性的な演奏を生み出してもいました。
こうした背景を踏まえると、ここでのロンドン響との顔合わせはたいへん意味あるところで、いつにもましてゲルギエフにとって、おおきな強みといえそうですが、ゲルギエフもまた、ベルリオーズに傾ける情熱にかけてはかなりのものがあります。
公演に先立って行われたインタビューでゲルギエフは、ベルリオーズの音楽の魅力について熱っぽく次のように語っています。
「ベルリオーズの響きはとても現代的で、とても新鮮で予測不可能なものなのです。書法は独自のスタイルで貫かれています。それこそがいつもわたしをベルリオーズに惹きつけてやまないのです。」
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2014/08/19)
ゲルギエフとロンドン響によるベルリオーズ・プロジェクトは、実質的には10月31日から11月17日までの2週間半と短期間ながら、本拠バービカン8公演と、ヨーロッパ・ツアーを併せた全13公演が組まれ、当アルバムの2作品のほかにも、「イタリアのハロルド」、「ファウストの劫罰」、「ロメオとジュリエット」、歌曲集「夏の夜」、カンタータ「クレオパトラの死」、「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲といった主要な作品が網羅的に演奏される大がかりで本格的なものでした。
本レコーディングに際して、ゲルギエフ自身は2013年5月に、もうひとつの手兵マリインスキー劇場管を指揮して「幻想交響曲」を演奏してもいましたし、ロンドン響とは「幻想交響曲」と序曲「ウェイヴァリー」を11月8日にブルノ、9日にザンクト・ペルテン、10日にエッセン、16日にパリのサル・プレイエルでも取り上げていたことから、実演でのプログラムと並行して演奏内容を検証しつつ、集中してその解釈を掘り下げる機会にも恵まれていたとおもわれます。
「幻想交響曲」の演奏時間について。ウィーン・フィル盤との比較では、ロンドン響新盤は第1、第4楽章のすべての反復を実行して10分以上長くなっています。
このあたりにもゲルギエフの細部の情報に対するこだわりが垣間見えて、より踏み込んだアプローチを期待出来そうです。
なお、当アルバムではLSO Live初の試みとして、従来のSACDハイブリッド盤に加えて、同一の演奏内容を収めたピュア・オーディオ・ブルーレイ・ディスクが同梱されます。お手持ちのブルーレイ・ディスク・プレーヤーで手軽に楽しめるハイスペックのフォーマットへの対応は、かねてよりオーディオ・ファイルからの要望も高かったのでなんとも嬉しい配慮といえるでしょう。
さらにボーナス映像として、ブルーレイ・ディスクのビデオ・パートには、本拠バービカンにおける11月14日分の「幻想交響曲」の全曲演奏が丸ごと収められ、まさに至れり尽くせりの仕様となっております。
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2014/08/19)
Valery Gergiev has twice recorded Hector Berlioz's Symphonie fantastique, first with the Vienna Philharmonic on a 2003 Philips release, then with the London Symphony Orchestra on a 2014 release on the LSO Live label. Both recordings were issued as hybrid SACDs, so collectors and audiophiles have good reason to compare them, and they may wish to own both for the different filler pieces (La mort de Cleopatre on Philips and the Waverley Overture on this recording). It's hard to go wrong with Gergiev, if what is desired is a mainstream performance with a volatile interpretation, and his driven conducting is well-suited to Berlioz's over-the-top masterpiece. This recording is full and rich in sonorities, and the London Symphony Orchestra delivers an impressive rendition with a wide dynamic range that goes from a barely audible rumble to stunning fortissimo crashes that might require some adjustment of the volume setting. As good as both recordings are, the LSO recording may have the edge with sound buffs because the package contains not only the SACD, but also includes an audio Blu-ray disc, which gives the listener more options for optimal playback.
Rovi