世界でも類例のないの超混血系オルケスタ"菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラール"のレーベル移籍第一弾CD。タイトル曲「戦前と戦後」他、大部分の楽曲が菊地のヴォーカル物のソングブックという異色作。小泉今日子に提供したデュエット・ソング「大人の唄」のセルフ・カヴァーやNHKテレビドラマ主題歌の「退行」全長版などのオリジナル曲と多彩なカヴァー曲で構成。 (C)RS
JMD(2014/04/03)
「ポリリズムを駆使した複雑かつ骨太なアレンジのインスト」「毒々しいほどに甘いラテンラウンジ」「現代音楽の響きを持つ集団即興とラテンリズムのマッシュアップ」といった従来の定番コンテンツから大きく舵を切り、タイトルチューン“戦前と戦後”を含む全11曲中、10曲が菊地のヴォーカル物のソングブックという異色作にして最高傑作。カヴァー曲はディック・ミネ、フランク・オーシャン、薬師丸ひろ子、キップ・ハンラハンと多彩。そしてオリジナルは、小泉今日子に提供したデュエットソング“大人の唄”のセルフカヴァー、NHKテレビドラマの主題歌の“退行”の全長版と多様で、戦前歌謡スタイルからフルアコースティックのヒップホップ、東欧カラーの激烈なインスト曲まで。ソプラノ歌手の林正子、アマチュアのフランス人少女、SIMI LABのMC、OMSB、DyyPRIDE、覆面フィメール・ラッパーICI、キップ・ハンラハンと彼の娘がテキストリーディングで参加。グロテスクぎりぎりの混血性を見せるが、ドープでエッジながら洗練されたアレンジと、極めて高い演奏力によってサウンドのブランディングを確実にしている。
発売・販売元 提供資料(2013/12/20)
菊地成孔のTABOO第1弾作品でもある本プロジェクトでの4年ぶりの新作は、表題通り戦前と戦後(現代)の楽曲を並べた菊地自身のヴォーカル・アルバムに。DCPRGの近作やJAZZ DOMMUNISTERS以降の気風は、薬師丸ひろ子からフランク・オーシャンに至る選曲や、林正子のソプラノからOMSBとDyyPRIDEのラップまで織り込む混淆ぶりにもあきらか。山師っぽい洗練とグロテスクな官能美に酔わされる、極めてポップな好盤だ。
bounce (C)轟ひろみ
タワーレコード(vol.365(2014年3月25日発行号)掲載)