2013年1月に来日してその健在ぶりをアピールしたヴァン・ダイク・パークスが、2011年に自身のレーベルから7インチ・オンリーで6枚連続リリースしたシングル盤を1枚にまとめたアルバムを日本盤としてリリース。 (C)RS
JMD(2013/05/22)
2013年1月には来日も果たし、ゲストに細野晴臣を迎え今まで以上に素晴らしいライヴ・パフォーマンスを披露し、健在ぶりをアピールしたヴァン・ダイク・パークス。そんなヴァン・ダイクが2011年に自身のレーベルであるBANANASTAN RECORDSから7インチ・オンリーで6枚連続でリリースしたシングル盤が遂に一つのアルバムとなって、待望の日本盤でのリリースが決定。その名も『SONGS CYCLED』!!! 英文ライナー及び歌詞の対訳は、アメリカ文学研究者であり、ポール・オースター、チャールズ・ブコウスキーなどの名訳でもお馴染みの柴田元幸氏(東京大学大学院人文社会系研究科教授)が担当。また日本盤の解説はヴァン・ダイクとの親交も深い、音楽評論家の小倉エージ氏が書き下ろす。
発売・販売元 提供資料(2013/04/15)
文句なしに素晴らしい。2011年に自主レーベルから6枚連続でリリースされた7インチをまとめた本作は、純然たるソロ名義としては23年ぶりのアルバムだ。ここで描かれるのは、西部開拓期からジャズ・エイジあたりまでの、夢と希望に浮き立っていた古き良きアメリカの原風景。すでに失われた黄金色のランドスケープを、幾多のルーツ音楽を巧みに織り交ぜたノスタルジックなオーケストラル・ポップに仕立て、鮮烈な音像として蘇らせている。タイトルは68年のデビュー作『Song Cycle』を思わせるが、そこに漂っていた母国へのシニカルな愛憎めいたものは希薄。〈ふと振り返ってみたらこの国も案外悪くないよ〉と飄々とした顔でマエストロが呟いているような、そんな印象を受けた。
bounce (C)北爪啓之
タワーレコード(vol.355(2013年5月25日発行号)掲載)