西部劇「真昼の決闘」「アラモ」から、ヒッチコック作品まで
「フルオケによるサントラのパイオニア」LSOが誘うティオムキンの映画音楽の世界
LSOLiveの最新アルバムは、ディミトリ・ティオムキンの映画音楽集。LSOLiveがあらたに随時お届けする、史上最も偉大な映画音楽の作曲家たちのシリーズ第1弾となります。
【R=コルサコフの弟子グラズノフに学んだティオムキン】
ロシアのサンクトペテルベルクに生まれたディミトリ・ティオムキン(1894-1979)は、もっとも高い評価を受けるハリウッド映画の作曲家のひとり。ペテルブルク音楽院で、R=コルサコフの弟子ブルメンフェリトとグラズノフに学び、ベルリンでエゴン・ペトリとブゾーニに師事しています。
ロシア革命を経て、第1次大戦後に、ティオムキンはベルリンでプロのコンサート・ピアニストとしてデビュー。1928年にはパリ・オペラ座でガーシュウィンのピアノ協奏曲ヘ調のヨーロッパ初演を行ってもいます。
【西部劇からサスペンスまで、多彩な作風で人気を博したティオムキン】
1925年には初の訪米を果たしますが、今日、映画音楽に偉大な足跡を残すティオムキンに最大の転機が訪れるのは、1929年に妻とともにハリウッドに移ってから。
西部劇の音楽のスタイルを確立した「真昼の決闘」「アラモ」や、「紅の翼」「ローマ帝国の滅亡」のようなスペクタクル巨編、そして「サスペンスの神様」ヒッチコックの「
イヤルMを廻せ!」「見知らぬ乗客」と、ジャンルを問わず、ティオムキンは、140本ともいわれる数多くの映画音楽を手掛けました。さらに、クリント・イーストウッド出演で知られるテレビ・ドラマ・シリーズ「ローハイド」の主題歌もティオムキンの仕事で、天賦のソングライターでもあったティオムキンはまた、「野性の息吹」や、アカデミー賞で主題歌賞を獲得した「真昼の決闘」といったスタンダード・ナンバーを書いています。
【ノミネート22回!4度のオスカー受賞に輝いたティオムキン】
多才な職人作曲家で、注文に合わせてほとんどどんなストーリーにも記憶に残るスコアを書くことが出来たティオムキンは、アカデミー賞にノミネートされること、信じ難いことに22回、4度のオスカー(「真昼の決闘」作曲賞&主題歌賞、「紅の翼」作曲賞、「老人と海」作曲賞)に輝いています。
1954年に「紅の翼」アカデミー作曲賞受賞式でティオムキンは、ブラームス、R.シュトラウス、ワーグナー、ベートーヴェン、R=コルサコフの名を挙げて感謝の念を述べるという、ウィットの利いたスピーチで会場を沸かせたといいますが、存外、これは本音と真実を滲ませたものといえそうで、クラシック音楽の巨匠たちの流れを汲んでいるという強い自負の表れなのかもしれません。
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2012/06/20)
【“フルオケによるオリジナル・サウンドトラックのパイオニア”LSO】
最近では「ハリー・ポッター」シリーズをはじめ、ジョン・ウィリアムズ作曲の「スター・ウォーズ」シリーズ、「スーパーマン」や「レイダース-失われたアーク」といった大ヒット超大作のオリジナル・サウンドトラックを担当したことで有名なLSO。
LSOと映画産業との関わりは、1936年のアーサー・ブリス作曲「来るべき世界」の時代まで遡ることができ、オーケストラというものが映画のサウンドトラックをレコーディングした走りでした。
【ヴォーン・ウィリアムズ、ウォルトンにローザ。LSOと組んだ有名作曲家たち】
20世紀は「映像の世紀」ともいわれ、映画、テレビなど商業音楽の需要が飛躍的に拡大し、作曲家たちの多くが新たな領域に進出した時代でもあります。
LSOはやはり自国の作曲家とのコラボが盛んで、1940年代に入ると、ウィリアム・ウォルトンの「スピットファイア」「バーバラ少佐」、ヴォーン・ウィリアムズの「49度線」、1940年代半ばには、フルートの名手でLSOの首席奏者だったこともあるウィリアム・オルウィンの「邪魔者は殺せ」「ヘンリー5世」といったサントラをレコーディングしています。
ほかにも1940年代にジョルジュ・オーリック、1960年代にバーナード・ハーマンの映画音楽も録音していたLSOは、ティオムキン同様にハリウッドで活躍したミクロス・ローザ(ミクローシュ・ロージャとも)の映画音楽にも関わり、ローザが英国滞在時代の1939年に「四枚の羽根」を、ハリウッド時代の1953年に「円卓の騎士」を録音していました。
【映画音楽の第一人者リチャード・カウフマン】
ロサンジェルス生まれで、MGM映画の音楽部門に在籍していたキャリアを持つ、グラミー賞受賞指揮者のリチャード・カウフマンは、幾多のコンサート・ホールでの映画音楽、クラシック音楽の演奏活動だけでなく、映画音楽ならびにテレビ番組の音楽の指揮と監督に、その音楽人生の大半を捧げてきた第一人者。ダラス響の桂冠ポップス指揮者であるカウフマンは、やはり首席ポップス指揮者を務めるパシフィック・シンフォニーのほか、現在、「FridayNightattheMovies」というシリーズでシカゴ交響楽団に定期的に出演しています。
カウフマンはまた、ジョン・デンバー、アンディ・ウィリアムズ、ダイアナ・クラール、クリス・ボッティ、ビーチ・ボーイズ、パティ・オースティン、アート・ガーファンク
ルといったアーティストのために指揮をしてきたことでも有名。
先だってもLSOとは、“飛行”にまつわる古今の映画音楽を集めた最新アルバム「紅の翼」を発表したばかりのカウフマンが、いままた「サントラの心得あるオーケストラ」LSOを指揮して、ティオムキンの作品を取り上げたアルバムは、映画ファンのみならず、クラシック音楽のファンにもあらためて、ティオムキンの魅力を気付かせてくれるものといえるでしょう。
キングインターナショナル
発売・販売元 提供資料(2012/06/20)