ジョアン・ジルベルトとともにボサノヴァを作り上げ、その代表曲のほとんどを生み出したアントニオ・カルロス・ジョビン。パフォーマーとしては『WAVE』などCTI期の作品が有名だが、ブラジル音楽ファンの間で最も愛されてきたのが80年代以降の晩年期。その時代の名作群に、新たに加わる未発表音源が登場!レコーディングは86年、カナダのモントリオール・ジャズ・フェスティヴァルでのライブ録音。カエターノ・ヴェローゾや、坂本龍一とのMorelenbaum2/Sakamotoなど、世界的なプロデューサー/チェロ奏者として知られるジャキス・モレレンバウンをはじめ、最晩年までジョビンと公私を共にした“バンダ・ノヴァ”を従えた布陣。演奏・音質ともに最高のクオリティで、代表曲の数々が躍動的なアレンジで生まれ変わった。リオの自然と人々を愛し、気さくな人柄で「トム」の愛称で親しまれたジョビン。そんな彼のパーソナリティーが最もよく表れた一枚。
タワーレコード(2009/04/08)
ジョビン生誕80周年の締め括りに、こんな素敵な贈り物が届いた。86年モントリオールにおけるジャズ・フェスでのライヴを収めた作品で、今回が初CD化。パウロ・ジョビンやダニロ・カイミ、それとジャキス・モレレンバウムらによる親密なアンサンブルの輪のなかを御大の歌がゆっくりと飛翔する・・どの曲からもそんな光景が見えてきて実に感動的なのだ。“Two Kites”などでの躍動感溢れる演奏も素晴らしい充実の一枚。
bounce (C)桑原 シロー
タワーレコード(2008年01月号掲載 (P89))