オリジナルリリースが2003年。実に22年の時を経た今、このアルバムはどう評価されるべきか。他のレビューにもあるように当初このアルバムは色物扱いされる側面も少なからずあった。BPMの早いGhettoMusikなどは当時のヒップホップリスナーには斬新さと主に混乱ももたらしたし、クラブでプレイされる際も前後の曲との繋ぎ合わせに苦労したものである。しかしその後2010年代にはタイラー・ザ・クリエイターの出現や倍速のリズムを半分で解釈するトラップの流行などもあり、当時のリスナーより現在のヘッズたちのほうがこのアルバムをすんなり受け入れることができるかもしれない。ヒップホップ史の重要アルバムにこの作品をどれだけの人がノミネートさせるかは分からないが、ヒップホップ史の経緯において確実に必要だった1枚だったと個人的には思っている。