このCDを取得してから7~8年経過しますが、いまや取り扱いをしているのは、当タワーレコードだけとなっていることを知り、愕然としています。マイナーレーベルの商品のさだめでしょうか。 演奏は、同じバッハ奏者のヒューイットを凌ぐ高水準のものです。バッハが売れるようになってきた今日、バッハも弾けます程度のにわかバッハ弾きが横行していますが、彼女は、イギリスでは珍しい正真正銘のバッハ弾きです。 早いパッセージでも遅い場合でも完全に弾きこなす技術があるのは勿論、女性では少ないバッハ特有の対位法処理の技量を身に着けています。高音部も低音部も美しくしなやかな表現ですが、決して過度のロマンチシズムや叙情表現にはしません。幻想性(ファンタジー)は豊かですがチープなロマンチック表現にはならない高い音楽性です。 一時は、ウッドワード等と並んで、新しいバッハ弾きの星と看做されていた彼女の平均律。 ぜひバッハ・ファンの方々には聴いて頂きたく思います。