マケラの元でのパリ管弦楽団は絶好調だ。相変わらず木管・金管楽器の輝かしく洗練されノーブルな音色と各奏者のvirtuoriteは申し分ないし、弦楽器のアンサンブルと表現力も素晴らしく絹の光沢のような音色は絶品だ。マケラは各奏者を手のひらで転がしながら自発性に任せると同時に要所を締める彼の統率力は素晴らしい。一方パリ音楽院、パリ管の長い歴史に付き合ってきたものにとっては、フルートのミシェル・デボストのあの格調高くヴィブラートの少ない純度の高い音と歌い回しが忘れられない。現在の首席フルートのヴァンサン・ルカの深いヴィブラートとやや地味な音色は私には物足りない。