清春の音楽はバンド期もソロも時期によってアプローチや音楽の出来が大きく変わる、暗黒ポストパンクから始まりオリジナルパンクに近づいたり、いきなりヘヴィロックになったり実に様々だが...正直ロックバンドスタイルの音楽はイマイチだったけど、ここ数年のソロは清春の掴みどころのない歌唱が活かされていて音楽性にも実験的で完成度の高い、他に類を見ない作品が聴けると思う。
今作もベースレスというかただのバンドスタイルではなくギター、パーカッションの他にスパニッシュギター、サキソフォン、トランペット、チェロ、フルート、ピアノ等の楽器が使われていて今まで以上にアヴァンギャルドな作風。
1曲目の原始的な野性味溢れるパーカッションからの清春の雄叫びに度肝を抜かれたら、ラテン音楽のような情熱的な世界が一気に広がる。
清春の歌唱は良くも悪くも独特で無二、Jロックバンドのグルーヴにはこの自由なメロや発音はあまり合っていなかったように思う。
それがここ数年の作風ではますます年季が入りフラメンコ調の曲と見事に融合、年齢を重ねるほど声に渋みも出て発音もメロディに溶けこの世に一つしかない楽器のよう、声を張り上げる時のかすれは鳥肌が立つほどの凄み。
先行公開された2曲のMVを観て良いと感じれば全曲聴いてほしい、小曲の1フレーズを消費し続けるメインストリームとは一線を画す本物のオリジナルアルバム、全曲聴かないと意味がない。
今作が清春の全てのキャリアで一番好きです、買ってから既に何週も聴いているしこれからも聴き続けるでしょう。
ちなみに14曲収録となっているがギタリストとジャズバンドメンバーによるインストが3曲ありプレーヤーなどでは17トラック表示されます、こちらは比較的薄暗い雰囲気でアルバムの良いアクセントになっています。
08 Interlude by DURAN
10 Interlude by タブゾンビ (SOIL&"PIMP"SESSIONS) & 栗原健
13 Interlude by 栗原健
立体的な音質も良く、ぜひともアナログ向けのマスタリングをして重量盤LPをリリースして欲しいです。