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連載/コラム

ジャン・フルネ

カテゴリ : o-cha-no-ma LONG REVIEW

掲載: 2013年04月23日 15:33

ソース: intoxicate vol.103(2013年4月20日発行号)

text:藤原聡(梅田NU茶屋町店)

生誕100年記念! 東京都交響楽団との選りすぐりの5タイトルを再発売

今年の4月14日で生誕100年を迎えたジャン・フルネ。これを記念して、フォンテックから東京都交響楽団を指揮した5タイトルがプライスダウンの上再発売される。
フルネは日本において特に愛された指揮者だと思うが、晩年には半ば神格化すらされていたように思う。ではこの神格化の「内実」とは何であったか?

一部にはそれを日本人の巨匠好きという半ば冷めた目で見る向きもあるようだが、フルネの人気はそのような文脈によるものではなかろう。まず、フルネの音楽は実に「渋い」。表面的な華麗さやスマートさというものよりも(フランス人指揮者と聞いてイメージされるのは一般にはそのようなものか)、じっくりと腰を落ち着けて、その音楽の求める内実を徹底的に突き詰めて行く、いわば求道者的で禁欲的な音楽作りがその特徴と思う。その意味では、いわゆる「フランス的」な指揮者というよりは、ドイツ的な属性を感じさせる(シューリヒトがかつて「最もドイツ的なフランス人指揮者」とフルネを評したという)。フランス音楽を演奏する場合は最大公約数的なイメージとはいささか異なり、ドイツ音楽を演奏する際にも、「フランス人のドイツ音楽」という見方をされる。つまり、分りやすい「物語」からはみ出る存在なのだ、フルネという指揮者は。往々にして巨匠崇拝は物語的な文脈から生まれるものだが、フルネの人気というのは、本当に音楽を知っているファンがフルネの度重なる日本への客演の際に自分の耳でその音楽のすばらしさを「発見」し、それがメディア的な宣伝などとは無縁のところで自然に広がっていったものだと思う。

お求め易くなった再発売を機に是非聴いて頂きたいのだが、幻想交響曲など、ありがちな感情移入や熱狂とはまるで無縁ながら、これが全く物足りなくないどころかその風格と見事な造形力に感嘆してしまうし、エロイカもいちぶの隙もないアンサンブルと完璧な音響バランス、それだけに終わらない内面的な深み(平凡な書き方だが本当にそうなのだ)、これだけ見事な演奏もなかなか聴けるものではないと思う。ちなみに今年はフルネ没後5年でもある。フルネ再発見の年、2013年。

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