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映画『ロボット』

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公開
2012/05/07   12:31
ソース
intoxicate vol.97(2012年4月20日発行号)
テキスト
text:サラーム海上

「1にラジニ、2にラジニ、3、4が無くとも、5にラジニ!」
ラジニカーントの最終爆驚愕兵器『ロボット』がついに日本全土上陸!!!

21世紀初頭より、インド映画は全世界的な現象となりつつある。ハリウッド映画にも見劣りしない映画技術と洗練、予算を手に入れ、世界中の誰が見ても納得の美男美女の俳優ばかりが揃い、国際化を目指すヒンディー語のボリウッド映画。一方、南インドのタミルナードゥ州で作られるタミル語映画は、タミル語話者とインド南部4州に暮らす人々をターゲットに、昔ながらの勧善懲悪、伝統や因習と現代社会の生み出す矛盾などを描き、あくまで地方性にこだわり続ける。

そのタミル映画の中でも、スーパルスタール(スーパー・スター)ラジニカーントの映画は「1にラジニ、2にラジニ、3、4が無くとも、5にラジニ」とでも言いたいラジニ原理主義によって異彩を放っている。日本でも1998年の『ムトゥ踊るマハラジャ』の公開時、「こんなダサいオッサンが主役?」とバカにしていた人たちが、映画を見終えて「ラジニすげえ!」と豹変した。ラジニが流し目&前歯キラリのキメキメスマイルで登場すると、画面がパっと輝く。そして、切れ味の良過ぎる彼の一挙一動から目が離せなくなってしまうのだ。両手でサングラスを回転させながら着用するのも、腰をクイクイと動かすダンスも、常人には真似しようにも絶対に真似出来ない。かくしてラジニ教徒は全世界に広がった。

そのラジニも60歳を過ぎてついに動きの衰えが隠せなくなった。前作『Sivaji-The Boss』ではCGや画像のエフェクトでごまかしていたが、『ロボット』は「ラジニ様をロボット役にして、全部CGで作ってしまえば、どんなありえない動きでも可能!」という逆転の発想である。ラジニの現神様化計画!

ところでロボットのデザインが『アイ、ロボット』のパクリだなんて興ざめな事言うなよ! インドではパクリという概念ははなから存在しない! ハリウッドという偉大な先例から伝わる「ラーガ」=いわば「物語」を継承したにすぎないのだ。

さて、ラジニが演じるロボット、チッティが数百体に増殖して、合体して巨大なコブラになったり、巨人になったりと、ありえないほど漫画的なCG表現を駆使して、描くのは昭和の少年漫画並みに手前勝手なストーリーである。主人公のバシー博士(一人二役)は焼きモチを焼くあまりに、有能すぎるチッティを叩き壊しちゃうくらいだ。性格ワル~! こんなヒステリーの主人公でも映画として立派に成立するのはひとえにラジニ様のオーラによることも書き加えておこう。ラジニの次回作『Kochadaiyaan』はインド初のモーションキャプチャーCGアニメと聞く。ということはラジニは声の吹き替えだけ担当か? たとえ、本人が死すともラジニのカリスマは残る。ラジニの現神様化計画は着々と進んでいるのだ! 免疫の少ないそこのジャパニ! まずは『ロボット』でラジニ風呂に存分に浸ってくれ!

映画『ロボット』
監督:シャンカール 音楽:A・R・ラフマーン
出演:ラジニカーント/アイシュワイヤー・ラーイ/ダニー・デンゾンパ/他
配給:アンプラグド(2010年 インド 139分)
http://robot-movie.com

◎5/12(土)より渋谷TOEIほか全国ロードショー

©2010 SUN PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.

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