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術ノ穴

連載
NEW OPUSコラム
公開
2010/06/08   21:20
更新
2010/06/08   21:24
ソース
bounce 320号 (2010年4月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次

 

確固たる個性を放つ注目のレーベル!

 

最近だとNAGAN SERVERやあるぱちかぶと、ツジコノリコらを手掛け、先日は環ROYの話題作『BREAK BOY』にも参加していたFragment。ヒップホップのイディオムで独自の何かを生み出しているkussyとdeiiのトラックメイカー・デュオだが、彼らの主宰するレーベル=術ノ穴の動きもいよいよ活発になってきた。

これまでの作品は別掲のガイドを見てもらうとして……まずはリリースされたばかりのDOTAMAのソロ作『音楽ワルキューレ』がおもしろい。聴く人によっては耳にエグ味を残すかもしれないアクの強い声は、ややシアトリカルで感情的なフロウも相まってメチャクチャ個性的。だからこそ、終局で披露される“a song for a cup of tea”の穏やかな決意表明が強い聴後感を残す。Fragmentやbugficsはもちろん、RIOW ARAIや生中、DJ OKAWARIらが手掛けるビートにも注目だ。

それに続いては空也MCの『東京哀歌 -トウキョウエレジイ-』が登場。NOMAD THE SEXGARDENなどでも活動している埼玉出身のラッパーで、資料にはX-JAPANや三島由紀夫などの名前が並ぶ。確かにそんな鬱屈ムードも忍ばれ、チンピラ風情を纏いながら切実な文系のラップを奔流のように吐きまくる様が強烈……なのにイメージ以上に聴きやすいのが不思議。大化けするかも?

 

▼文中に登場した作品を紹介。

左から、DOTAMAのファースト・アルバム『音楽ワルキューレ』(術ノ穴)、空也MCのファースト・アルバム『東京哀歌 -トウキョウエレジイ-』(術ノ穴)

 

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