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第554回 ─ PE'Z

連載
NEW OPUSコラム
公開
2009/11/18   18:00
ソース
『bounce』 316号(2009/11/25)
テキスト
文/斉藤 ジョゼ

10周年のお祝いに最高のプレゼントが到着!

  ラテンやロックのリズムを大胆に採り入れ、ジャズをより身近なダンス・ミュージックとして提示し続けてきたPE'Zが結成10周年。〈侍ジャズ〉と呼ばれる彼らの音楽は、日本人の鳴らすジャズという文字通りの意味だけでなく、ジャズの枠に囚われない新しい音楽を創造しているからこその呼び名である。今回のトリビュート・アルバム『NOT JAZZ!! BUT PE'Z!!! -10TH ANNIVERSARY TRIBUTE TO PE'Z-』は、そんなスタイルに共感する国内外のアーティスト12組が捧げた、PE'Z愛に溢れる祝福盤なのだ。

 さてその内容はというと、日本勢では、乾いたギターの音色とオルガンの掛け合いがクールなロック仕様のSPECIAL OTHERS“Akatsuki”、コラージュ感溢れるとびきりカラフルでドライヴィンに仕立てたピアノとカホンの2人組=→Pia-no-jaC←による“さらば愛しきストレンジャー”、そして哀愁漂うピアニカの音色が沁みるcro-magnon“Hale no sola sita -LA YELLOW SAMBA”が聴きどころだろう。また、海外からはまさかの大物が集結! AORをゼロ年代のセンスで切り出すタルクは“SAMBA DE恋して”をとろけるようなメロウ・ナンバーに変え、ジャズ・ファンク界からはソウライヴが“HEY! JORDU!”を、ベイカー・ブラザーズが“ハナフブキ -花魁道中罷り通る-”を腰にくる極上のグルーヴでメロディーの良さを最大限に引き出している。本作を通して聴くと、どんなアレンジにも耐えうるPE'Z曲のタフさを改めて実感できてとても興味深い。

 今後も10周年祭は続くようで、伝説のライヴを収めたDVDや3年ぶりとなるオリジナル・アルバムのリリースも予定されているとか。まだまだこの熱気は冷めそうにないぞ!

▼トリビュート盤に参加したアーティストの作品を紹介。