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第185回 ─ capsuleのベスト盤は思い出の詰まったタイムカプセル……じゃない!

こしじまとしこという声

連載
360°
公開
2009/08/26   18:00
更新
2009/08/26   18:09
ソース
『bounce』 313号(2009/8/25)
テキスト
文/轟 ひろみ


  女性がフロントで歌って、音を作ってる男性が後ろで何かやってる……みたいな男女ユニットでは、capsuleはない。ましてや今回の『FLASH BEST』にはごく初期の楽曲は収められていないから、そういう〈男女ユニット〉的な佇まいに見えたcapsuleはそこに存在しない。分岐点になったのは『L.D.K. Lounge Designers Killer』なのだろう。サウンドそのものが明確に二極化しはじめるのと同時に、インスト/歌という分化ではなく、“グライダー”のように明快な〈歌〉モノと、こしじまの声が〈リフ〉として機能するようなタイプの楽曲が両立するようになってきた。そういった傾向が進行していって現在に至るわけだが、ベスト盤に沿って近作を聴き返してみると、全曲で歌っていた時分よりもこしじまの存在の意味は強まっているように思えるから不思議だ。また、『MORE! MORE! MORE!』の後半数曲でそこに若干の揺り戻し(?)も見られた気がするのだが、それはかつて『L.D.K. Lounge Designers Killer』が示したような次への予告なのだろうか?