ローリング・ストーンズ。彼らは40数年に渡るバンド活動の歴史のなかでミックとキースの傑出したソングライティング能力により、ポップ・チャートに何曲ものNo.1ヒット・シングルを送り込んできた。しかし、このバンドの本質は〈ポップ・バンド〉ではなく、USルーツ・ミュージックを逞しく咀嚼、消化し、他のバンドには真似のできないヴォーカル・パフォーマンスや、ギターとドラムスが独特のリズムを刻むバンド・アンサンブルに磨きを掛け続けてきた〈ロックンロール・バンド〉であることに異論を唱える人はいないと思う。
このほどようやく(ファン待望の)最新リマスター処理を施し、日本盤独自の高音質プロダクトであるSHM-CD仕様(初回プレス限定!)でリイシューされる、ローリング・ストーンズ・レコードから発表された71年作『Sticky Fingers』以降のスタジオ・アルバム(合計13タイトル)を通して聴いてみれば、そんなバンドの初志貫徹ぶりや持続するエネルギーをリアルに感じ取れるはず。60年代後半以降はロックンロールやブルース、リズム&ブルースの吸収~消化に留まらず、カントリー・ロックやスワンプ・ロックなどアメリカで同時代に起こった〈ルーツ音楽の革新〉を呑み込み、さらにはファンクやヒップホップといったブラック・ミュージックの最新トレンドも貪欲に採り入れ続けてきたモンスター・バンド。こんなヤツらはストーンズだけ! だからこそ多くの後輩ロック・バンドが畏怖し、崇拝し続けるのだろう。
▼このたびSHM-CD化されたローリング・ストーンズのアルバム。