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第180回 ─ ラージ教授の幻盤がついに、ついに!

近年のラージ教授の研究をレポート!

連載
360°
公開
2009/07/01   18:00
ソース
『bounce』 311号(2009/6/25)
テキスト
文/狛犬

 『The LP』のお蔵入りからしばし失速したかのように思われたラージ教授だが、彼はトラックメイカーとしてもMCとしてもまだまだ健在だ。特に話題だったのは、ブラック・アイド・ピーズのリミックス企画盤にて“Disco Club”を手掛けたこと。他に招かれたリミキサーがDJプレミアやピート・ロックだったりして、これは『Illmatic』を聴いて育った世代らしい先達へのリスペクトだとも取れるだろう。似た主旨ではターミノロジーの『Politics As Usual』もNY黄金時代の職人たちをメインに据えたもので、ラージは“Sorry I Lied”を手掛けていた。そうでなくても2000年代以降は露出がコンスタントで、AZ&スタイルズPの“The Hardest”を筆頭に、コーメガやバスタ・ライムズらにビートを提供。ナズと『Stillmatic』(2001年)で再合体したことも重要だし、日本モノではGORE-TEXの『RELOAD』にて3曲を制作していたのも思い出される。さらにはラッパーとしてもプレストの“Conquer Mentally”に乞われて参加(日本盤には同曲のラージ製リミックスも収録!)するなど、教授はまだまだ現役の存在感を発揮してくれているのだ。