
2007年末にピンプCが急死、2008年末にはスカーフェイスがソロMCとしての引退を表明……しかし、テキサスのヒップホップ・シーンはへこたれない。それどころか、新旧を問わず多彩な顔ぶれがいままで以上に連帯感を強め、また新しい熱を生み出しているのだ。今回はUGKのラスト・アルバムに合わせて、その一端を紹介しておきたい。ポール・ウォールやリル・フリップら黄金世代の巻き返しも噂されているし、お楽しみはこれからだ! *編集部
バン・Bが語るUGKのラスト・アルバム
「音楽業界はいろんな意味で楽じゃないからね。こうやってたくさんの人たちが俺らのことをまだまだ、というか、いままで以上に応援してくれるってことに対して感謝の気持ちでいっぱいだったよ」。
長いキャリアのなかで初の全米1位を獲得する大ヒットとなった前作『UGK: Underground Kingz』での成功をそのように語るのはバン・B。しかし御存知の通り、その快挙から4か月後の2007年12月、相方のピンプCが急逝した。シーンに大きな衝撃を与えた出来事だけに、長年連れ添ったバンの受けたショックのデカさは測り知れないのだが、彼はその悲劇を乗り越えてソロ作『II Trill』をリリース。そこにはピンプとの共演曲“Underground Thang”やその死を追悼する“Angel In The Sky”といった楽曲も収録されていた。
その“Underground Thang”だけでなくピンプ(or UGK)のラップは、デヴィッド・バナー“Suicide Doors”やネリー“Cut It Out”、スリー6マフィア“On Some Chrome”、ウェビー“Fly As An Eagle”など至るところでフィーチャー。記憶に新しいスリム・サグの新作への参加や、マイク・ジョーンズやメソッド・マン&レッドマンとのコラボ発表もあったり、他界後もピンプはまだ現役で活動しているかのような存在感を放っている。そして、ついにUGKの新作『UGK 4 Life』も到着だ!
▼ピンプCのラップが聴ける近作を一部紹介。