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第40回 ─ 最終回──「パパは旅に出ます探さないで下さいしくしく。」

連載
踏 切 次 第
公開
2009/05/14   16:00
更新
2009/05/14   17:47
テキスト
文/次松 大助

次松大助が見つめる、とある町の日常──


  友達が電話で〈ちゃうねん、花粉症やねん〉と言ってました。ふーん……なんか格好いいなあ、花粉症。なんか大人っぽい。今度マスクして出かけてみよう。

 さて、〈踏切次第〉はたくさんの人々に支えられて、このたび無事に最終回を迎えることができました。ありがとうございました。時を同じくして、浅田真央ちゃんは中京大学に入学です。さらに時を同じくして、この号が出る頃には発表されているかと思いますが、The Miceteethは解散致しました。これまで活動してこられたことを、たくさんの人々に感謝です。言葉を持ち得なかった心が、そのたくさんの人々にどうか伝わりますように──去年の7月にメンバーの結婚披露宴パーティーを行った際、内々で解散ライヴを行いました。それから今日に至るまで発表がなかったので、人に訊かれても濁したりして気持ち悪かったのですが、これですっきりしました。なんというか、メンバーは兄弟のようなので、イヴェントで偶然に会ったりするとすごく照れます。100m先を歩いてても元気そうに見えるメンバーに〈おお、元気?〉などと、間の抜けた挨拶をしてしまいます。10年弱の活動を共にし、それも深い精神で接していたので、やはり兄弟としか言いようのない関係。だから解散というのも兄弟がそれぞれ一人暮らしを始めたような軽い感覚なんです。でもこの先、人生においてこのように関わる人がどれほど現れるだろうと考えると、やはりそれはゼロかもしれないなぁと。ふ~ん、そ~かあ……と思います。

 結成当初、僕が十代の頃には全裸で下を剃毛してライヴをしたり、赤坂の某そば屋で〈店員の態度が悪い〉という理由でメンバーが店主をシバキそうになったり(あれは店が悪い、潰れろ)。ツアー中、移動の船の甲板で全裸になって海におしっこをしたり、車で移動中に〈見せろ!〉と元某メンバーの携帯を取り上げて見ていたら、彼がゲイだったことが判明したり、酔っ払ってちんちんを見せ合ったり、グーやパーで殴ったり殴られたり(を見てたり)、それらすべてが必然な流れに存在するほど、ふくよかな時間の長さを共にしてきたのです。

 まぁ、そういうわけで(?)このままいくとホームレスになってしまうので、現在ソロ・アルバムを作っています。ストリングス、ホーン、ピアノ、オルガン、ベース、パーカッション、ヴォーカル、ときどきドラムスのアンサンブルものです。楽しい。それが出来上がったら一番に聴かせたいのが、The Miceteethのメンバーだったりするので少し苦笑いです。お、あと実は僕のホームページが密かにあるかもしれないので、時間がある方はぜひ探してみてください。

〈踏切次第〉でした。ありがとう!

今月のBGM


THE ZOMBIES
『The Singles Collection:As & Bs 1964-1969』
 
Big Beat
なんか飽きるんだけど忘れた頃にまた聴きたくなる一枚です。で、いま1年ぶりに聴いてるんですが、結構いいです。あ、いま突然テンポが走りました。それでは皆様お元気で!

PROFILE

次松大助
先日解散を発表したスカ・バンド、The Mice-teethのヴォーカリスト。バンドの最後のアルバム『07』、ソロ・プロジェクト=箱のファースト・アルバム『long conte』が好評リリース中。現在はソロ・アルバム制作に打ち込む毎日。近日中に新たなホームページを立ち上げ予定。