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第482回 ─ 山下達郎×ナイアガラ

連載
NEW OPUSコラム
公開
2009/04/23   16:00
更新
2009/04/23   17:46
ソース
『bounce』 308号(2009/3/25)
テキスト
文/北爪 哲之

ナイアガラ時代の山下達郎ワークスを集めた作品が初CD化! それがなぜ貴重なの?

 達郎が、その活動初期に大滝詠一の主宰するレーベル=ナイアガラに所属していたことはよく知られているが、80年にリリースされた『TATSURO from NIGARA』を知る人はそう多くないはずだ。それもそのはず、本作はレコード会社との契約の都合で勝手に編纂された企画盤で、達郎本人も非公認ゆえいままでアナログ盤でしか存在しなかったブツなのだ。今回、大滝のプロデュース&リマスタリングによりナイアガラ公認カタログとして初CD化されたことは、結果的にアナログが激レア・アイテムとなっていたことを考えると快挙だ。

 さてその内容は、達郎が在籍していたシュガーベイブの音源と、大滝、伊藤銀次と共に制作した『ナイアガラ・トライアングルVol.1』からの音源を抜粋した、まさに〈ベスト・オブ・ナイアガラ・イヤーズ〉の趣。60'sのアメリカン・ポップスと70'sのソウルを日本文化の俎上で融合させた、驚くほど都会的で洒脱なサウンドがたっぷりと詰め込まれている。さらに3曲のボーナス・トラックも収録されており、とりわけ“幸せにさよなら”の未発表〈山下ヴォーカル・ヴァージョン〉には涙々。全ナイアガラー必携の一枚だ。