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第15回 ─ ピュアゆえの異端児たち~THINK TANK『BLACKSMOKER』

第15回 ─ ピュアゆえの異端児たち~THINK TANK『BLACKSMOKER』(2)

連載
サ イ プ レ ス 上 野 の LEGEND オブ 日 本 語 ラップ 伝 説
公開
2009/04/02   16:00
テキスト
文/東京ブロンクス

ブロンクス その後、97年にアナログを出したときにTHINK TANKになったのかな? 4曲入りの『四望』。

ダース そうだね。でもTHINK TANKが最初に出て来たのは、DEV LARGEがヴェルファーレでやったイヴェント。シャカゾンビがスーツで出てきたとき。

上野 〈JACK THE RAPPER〉すね。あのときのTHINK TANKは超カッコよかった。

ダース あのときにインクレディブルMC'Sのビートで、K-BOMBさんが「ウゥァァァァ」って。その後に『四望』が出たんだよね。「97年、ゲートは開かれ~♪」ってヤツ。

上野 あれはヤバかったですね。

ダース ビートのアプローチひとつ取っても、ブーキャン(ブート・キャンプ・クリック)の流れではあるんだけど、日本語でそれをやってる人はいなかったからね。あのルーズさというか。

ブロンクス さらに言えば、ブーキャンよりもカオス度が濃い。カンパニー・フロウ的っていうか。

上野 崩してましたよね。

ダース でもルックスは、ティンバのブーツにダウンで、でっかいリュック背負って。皆、イカついし。K-BOMBさんとかは、原宿のTIPTOPって服屋で働いてたから、そこで、枝と、もろヘッズなスタイリングを提唱してた。

上野 怪しいっすね。K-BOMBさんって“証言”をやってませんでした? 俺、〈鬼だまり〉で見たんすよ。

ダース あるかもね。GORE-TEXとK-BOMBさんとかって12歳ぐらいから遊んでるから。「80年代のRHYMESTERから見てる」って言ってたもん。

上野 マジッすか?

ダース ギャラクシー(RHYMESTERの前身)時代だよ。中学ぐらいから学校行かなくなってツルんでる仲間に、トラ君(GORE-TEX)とかがいたらしくて。

ブロンクス へ~、そうなんだ。初めて知った。

ダース そう。「それで一緒にRHYMESTERとか見に行ってたよ」って言ってて。で、コレ、すげぇイイ話なんだけど。bedの何周年かで、RHYMESTERとTHINK TANKがライヴしたときがあって。で、終わったあと、みんなでワーッと酒飲んでたときに、士郎さん(宇多丸)がK-BOMBさんに「いやぁ、君たち若い世代に任せるよ、スゴいよ勢い。THINK TANKはホントカッコいいから、頑張って欲しい」みたいなこと言ったら、K-BOMBさんが「ふざっけんなよっ!」っていきなりキレて。「俺は12歳のときからオメェら見てて、オメェらのこと、スゲェカッケエと思ってんだよ! 何、現役辞めたみたいなこと言ってんだよ!?」って。

ブロンクス・上野 ……アツイ!

ダース 士郎さんもまあ性格的に「イヤイヤイヤイヤ~」って人だから、話のツカミとして言っただけなんだけど、思いのほかK-BOMBさんから熱く返って来て。「俺はRHYMESTERを見て育ってきてんだから。ずっと俺の前にいてくれよ」って。周りは「うぉぉぉ」って(笑)。

上野 ……ヤベェ超カッケェ! で、士郎さんはどんなリアクションを?

ダース 士郎さんも「そうか。じゃあ分かった、乾杯しよう」って。

ブロンクス 二人とも男だね~、まさに漢。

ダース 俺らは取り巻きみたいに周りで見たんだけど。「K-BOMBさん、超カッケェよ……」って。あと、NITROが結成されたばかりのときに、K-BOMBさんも遊びに来て、NITROのライヴをステージ袖からスゲェ熱い視線で見てて。「アイツらは俺の仲間だから。雷(家族)とか、先輩を食うぐらいの勢いになってくれたのが、ホント嬉しいんだよ。だから俺は真横でアイツらをしっかり見るんだ」って。

上野 アツ過ぎるな。

ダース まあ、この辺のエピソードは、俺の記憶の限りで話してるから、事実と違ってるところもあるかもしれないけど。

ブロンクス でもさ、K-BOMB君って、まるでこう、クールなヒッピーかフーテンのように見せかけて。

ダース 実はスゲえホットな人なんだよ。

ブロンクス ヤバイね。WENODで限定CD-Rを売ってるだけの人じゃないと。

ダース そうそう……。ま、売ってる人でもあるんだけど(笑)。

上野 (笑)そういうこともやりつつ。でも、皆やっぱり、そういうフーテン的なイメージで見てるから。

ダース  ま、自分はメインストリームとは違うっていうのはあると思うんだけど。特にインド行って帰ってきたあたりから。

ブロンクス マイカデリックで一緒に曲やったときはどんな感じだったの?

ダース 俺らなんてまだまだヒヨッコだったから、普通にリリックを先に書いて用意してたんだけど、K-BOMBさんがうちらに期待してたのは、その場でメチャクチャやるみたいな、「この音でなんか遊ぼうぜ!」みたいなノリだったんだよね。そしたらテンション落ちちゃって。「なんだあ、お前らもう書いてきてんのかよお。じゃあ俺も書くよ……」みたいな感じで。

ブロンクス ああ、その場の空気で化学反応を起こしたかったんだ。「別に16ヴァースでサビに行かなくてもいいんだよ!」みたいな。

ダース そうそう。あと、その曲には結局K-BOMBさんしか入ってないんだけど、実はNAOさんもラップしてたのね。で、NAOさんとK-BOMBさんが当日ふたりでブースに入って「おい、おまえ先に録れよ」「止めろよ」とかジャレあってたの、最初は。3分後、リアルな殴り合いに発展(笑)。

一同 (爆笑)。

ダース 「痛えんだよっ!!」「ふざけんなよっ!!」とか言いながら、ブースのなかでマジで殴り合いして、鼻血とか出しちゃってて(笑)。で、K-BOMBさんがダーッてブースから出てきて「アイツとはマジ一緒にやれねえから」って。

一同 (笑)。

ダース 「うわーヤベえ、どうしようか」って感じになったんだけど、ヒキッチさんは「また始まったよ」って感じで。で、「ちょっと待ってて」って。

ブロンクス 慣れたもんだ(笑)。

ダース 俺らは「どうなるんだ」と思ってたんだけど、とりあえず俺らも別室でリリックとか練習して戻ってきたら、一時間後に肩組んで超仲良くなってるみたいな。

上野 ホントに謎ですね(笑)。

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