『Red Guitar and the Truth』 EMI Music Japan(1991)
若きベンジーの鬼気迫るシャウトや乾いたサウンドに痺れる、ロンドン録音の初作。全身墨だらけ!な不良風情や、パンクやロカビリーの匂いを刺々しく放つロックンロールが少年少女に与えた衝撃は計り知れない。
『BANG!』 EMI Music Japan(1992)
この作品から土屋昌巳がプロデュースを手掛ける。勢い重視が味だった前作から格段にクォリティーを上げ、まさに〈これがBJC!〉という音が盛りだくさんの代表作。“ヘッドライトのとれかたがいかしてる車”なんて曲名を付けるセンスも、彼らだから妙にいかして見えた。
『C.B. Jim』 EMI Music Japan(1993)
“D.I.J.のピストル”や衝撃的な歌詞で話題となった“悪いひとたち”などBJCクラシックが詰まった一枚。しかし全体的に派手な印象はなく、“ヴァニラ”の場末ムードやアコギが沁みるアーシーな“ROBOT”など、彼らの渋サイドの楽曲が際立っている。
『METAL MOON』 EMI Music Japan(1993)
6曲入りのミニ・アルバム。全体の質感は前作の余韻を残しつつ、ジャズ風ナンバーかと思いきや……な冒頭曲や、アコースティック・ナンバーかと思いきや……な“鉄の月”など、優しい顔した悪魔的な展開に驚かされる楽曲が出色だ。
『幸せの鐘が鳴り響き僕はただ悲しいふりをする』 EMI Music Japan(1994)
タワー・オブ・パワーのホーン隊を招いた“嘆きの白”やトライバルなリズムが昂揚感を煽る表題曲など、大胆なアレンジが楽しいポップな楽曲が粒揃い。だからか当時はあまり評価されなかったらしい。いやいや良い作品でしょ。
『SKUNK』 EMI Music Japan(1995)
T・レックス“Telegram Sam”的リフもご愛嬌な、無邪気に突っ走る冒頭曲やセンチメンタルまっしぐらの“15才”、BJC流“Train Kept A Rollin’”な“Hell Inn”と、キラー曲満載の人気作。なかでも〈アレのリズムが最高〉な“くちづけ”がいちばんかと。
『LOVE FLASH FEVER』 EMI Music Japan(1997)
本作からセルフ・プロデュース期に突入。基本路線は変わらないが、特に人力ブレイクビーツのトラック上でピアノのインプロとベンジーの語りが乗る“皆殺しのトランペット”が異彩を放つ。ところで、全作通じてアートワークのインパクトは大だけど、本作での中村の衣装は特に注目。
『ロメオの心臓』 ポリドール/ユニバーサル(1998)
“スクリプト”では打ち込みを導入し、そのためにファンの間では賛否両論あったという作品。しかし他にも聴きどころは多く、“幸せな人”“ドブネズミ”のSHERBETSにも通じる幻想的な寂れ感は素敵だし、名曲“赤いタンバリン”の収録もポイント高いでしょう!
『HARLEM JETS』 ポリドール/ユニバーサル(2000)
解散宣言と同時に発表した最後の作品。ここには派手さもヒネリもない、アクを取り除いた末に現れた等身大の彼らの音が鳴っている。キザでメランコリックでエモーショナルなロックンロール――BJCの最終形は驚くほどシンプルで、あくまでもBJCだった。
『LAST DANCE』 ポリドール/ユニバーサル(2000)
2000年7月に横浜アリーナで行われたラスト・ライヴ音源。集大成的なセットリストに興奮するが、2日間のうちの初日だからか拍子抜けするほど淡々と展開する。しかし初期曲“BABY BABY”を勢い良くカマしたラストはやはり感動的だ。