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第437回 ─ Catch your fire!

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/11/20   08:00
更新
2008/11/20   17:32
ソース
『bounce』 304号(2008/10/25)
テキスト
文/リョウ 原田

8ottoの楽曲が、国内外の旬で豪華なリミキサーによってヴァラエティー豊かに料理されてます!

  レッド・ツェッペリンからディスコ・パンクまでを水平線上に並べたようなグルーヴ、リズムの立ったツイン・ギターの絡み合い、これらの上で退廃的美学を感じさせるマエノソノマサキのヴォーカル――大阪のバンド、8ottoが魅せるロック世界は、2007年発表のメジャー・デビュー作『Real』、2008年の『HYPER,HYP8R,HYPER』で深まり、拡張してきたわけですが、その変化の先にあるのは?――もしかしたら、ニューウェイヴからハウスまでをフラットに吸収したダンス・ロック世界かも。さて、当たるも八卦な予想はともかく、アナログ盤で発表されてきた彼らのリミックス曲をまとめた作品集が、エクスクルーシヴ2曲を追加した『Catch an another fire』としてこのたびリリースされました。

 まず、フレンチ・ヒップホップ~エレクトロの裏番長的存在=タクティールや、〈ネクスト・ジャスティス〉の座を日本から狙う80kidzが8ottoの曲を徹底的にバキバキに料理している様子はやはり刺激的でおもしろいです。そして、“FAKE”のツェッペリン的世界観をアシッド度高めなエレクトロ・ディスコへクールに変換したのはディスコ・ダブ~プログレッシヴ・ディスコの筆頭株であるチキン・リップス。さらに、最新作では8ottoのプロデューサーであるヨシオカトシカズも関与していたNYのネオ・レア・グルーヴ(!?)感溢れるファンク・バンド、チン・チン(!)と電子レア・ディスコ探求家のモルガン・ガイストは原曲を活かしたリワーク的なアプローチを見せています。特に“BLOW”をフリーキーなスペース・ファンクに仕立てたチン・チンの新録リミックスは目を見張るものがあり、必聴です! 他にもフィジェット・ハウス的アッパー世界を見せるハーヴも顔を揃えるなど、〈旬〉なメンツに料理された8ottoの楽曲をぜひ楽しんで!

▼『Catch an another fire』に参加したアーティストの作品を一部紹介。