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第436回 ─ LUOMO & AGF

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/11/20   08:00
更新
2008/11/20   17:31
ソース
『bounce』 304号(2008/10/25)
テキスト
文/池田 謙司

待望のルオモ名義作、AGFとのディープな再合体……アノ男の新作が連発なのじゃ!!

  もともとチェイン・リアクションやミル・プラトーといったレーベルからリリースしていた人だけにその音響職人っぷりは筋金入りなのが、フィンランド出身のサス・リパッティ。そう、エレクトロニカ寄りなヴラディスラヴ・ディレイ名義でも知られる彼ですが、なかでもスムースなヴォーカル・ハウスで人気なのがルオモ名義であります。で、その新作『Convivial』がさまざまなヴォーカリストをフィーチャーしたコラボ作品の趣で登場。アパラットやジェイク・シェアーズ(シザー・シスターズ)、そしてハウス界の重鎮ロバート・オーウェンスまで参加。新しい声とのせめぎ合いを嬉々として楽しんでいる感じが音から伝わってきます。

  で、このルオモ名義と同時期に出るのが、奥さんでもあるAGFとのこちらもコラボ作『Sympton』。でもこっちはディレイ名義ということもあってか、非常にディープに潜行していくサウンドです。硬質でダークな雰囲気は、AGFのしっとりと囁くような歌声を活かすものと言えるでしょう。コンスタントにずっと作品をリリースしている彼ですが、多芸にして質の高さをキープしているところは流石に天才ですね。