次松大助が見つめる、とある町の日常──

7月終わりの、夕暮れより少し前の空の色を〈つまり、これは藤色っていう色や、そうや藤色や〉と言い当てることができ、最近は上機嫌で毎日その時刻の空を見上げる度に〈そうや、藤色、これは藤色〉と、馬鹿の一つ覚えのように心の中で繰り返し、とても満足しています。
さて、もうすぐ北京オリンピック(現在は8月4日です)が始まります。すっごい楽しみです。自分は何もスポーツはしないのですが、スポーツを観るのは大好きで、女子バレーボールなどは普段から録画して観る程に熱心です。オリンピックでも勿論、女子バレーはかなり楽しみです(男子バレーは能力が高すぎて展開が速すぎて、素人の僕にはとてもついていけないです)。
絶対観たいなーという競技はたくさんありますが、やっぱり陸上は、トラック、フィールド、マラソン共に、いずれも観たいものばかりです。実は中学と高校で5年間程、割と熱心な陸上部員(長距離)だったので、陸上競技を観ると何か心が不整脈を起こすのです。
あと、絶対観たいなーというのが男子柔道と女子レスリングです。柔道は鈴木キャプテンと石井選手、すごくかっこいいです。レスリングは吉田沙保里さんと浜口京子さんと、父のアニマルさん。アニマル父さんの叫び(バラエティーではないときの)には、いつも心から感動してしまう。それと、いつのオリンピックだったか、オリンピックですらなかったか、記憶があやふやですが、カヤック(カヌー)も観はじめるとチャンネルを変えられなくなる、地味だけど面白い競技です。
その他、今まで見たことはなかったですが近代五種というのも面白そうです。近代五種は射撃、水泳、フェンシング、馬術、ランニング(順不同)という五つの種目を一人で(一日で)行うものです。もう、めちゃくちゃです。めちゃくちゃですが、あの方なら間違いなく優勝するだろう、という方がいます。そう……デューク東郷(ゴルゴ13)さんです。つまり、この近代五種という競技は〈いかにデューク東郷に近づけるか〉というめちゃくちゃストイックな競技なのです。銃撃戦のあと、弾が切れ、海へ逃れ泳いで離島に着いたものの原住民に襲われ棒を拾い、フェンシングになって、馬に乗って逃れるも、馬が骨折し、最終的には走って逃げることになった人たち、などと各々で勝手にストーリーを設定するのも楽しいかもしれません。なので競技の愛称は〈デューク五種〉でも良いのですが、更家と被るので〈ゴルゴ五種〉、もしくは〈ゴルゴリンピック〉と呼んでみても良いかもしれません。まぁ、どうでもいいでしょうけど。とにかく、楽しみです。
今月のBGM

CAETANO VELOSO & GAL COSTA
『Domingo』
Verve
〈何とかマスタリング〉っていうのの効果で、実際すごい音が良かったアルバムです。何マスタリングだっけ。えーっと、英語3文字の……。うー、出てきません。(編集部注:正解は〈DSDマスタリング〉です)
PROFILE
次松大助
99年に大阪で結成されたスカ・バンド、The Miceteethのヴォーカリスト。バンドのアルバム『07』、ソロ・プロジェクトである箱のファースト・アルバム『long conte』が好評リリース中。現在は曲作りや練習に没頭する日々。その他の最新情報は〈www.miceteeth.net〉にて。