国内最大級の野外ダンス・フェス〈METAMORPHOSE 08〉が、8月23日~24日にかけて、伊豆修善寺のサイクルスポーツセンターを舞台に開催されました。今回は復習編として、bounce.com編集員の澤田大輔と、元編集員のヤング係長によるおさらい対談&それぞれのベスト・アクト・レポートを速報でお届けいたします。
当夜の振り返り対談!

澤田 では今年の〈メタモ〉をざっくり振り返って行きましょう。まず話したいのは天気について。事前の予報では完全に雨だったんで、どうなることかと思ってたんですが……。
ヤング 実際には霧雨~小雨程度で済んだよね。それは本当に助かったなあ。まあ、朝の7時くらいからザザーッと降ってきちゃったんで、最後はテントに浸水してドロドロになったけど(笑)。
澤田 翌日は豪雨でしたからね。1日ずれていたら相当きつかったはずで。そういう意味では天候に恵まれたって言っていいですよね。そこまで寒くならなかったし。
ヤング 勢いでTシャツだけで来ちゃったような人も結構いたけど、それでもなんとか大丈夫そうだったよね。
澤田 当日はどんな感じで動きました?
ヤング 19時頃に着いたんだけど、テントを建ててたらNujabesを見逃しちゃって……。
澤田 Nujabesは、DJプレイにUyama Hirotoがサックスやキーボードで絡むっていう面白い編成だったみたいですね。URの“Hi-Tech Jazz”をかけたっていうのが話題になってました。ちょっと反則っぽいですけど(笑)。で、最後は代表曲の“Luv(Sic)Part.2”でがっつり盛り上げて締めた……って、実はぼくも間に合わなくて、知り合いに感想を聞いただけなんですけどね(泣)。

ALBUM LEAF (C)eyespyeyes
ヤング それで、まずQ'HEYからスタートして、次にアルバム・リーフ。アルバム・リーフは、とにかくじっくり観られたのが良かったなあ。
澤田 DJはもちろん、ライヴもたっぷり時間が取られているのは、すごく良かったですよね。どのアクトも1時間半くらいの持ち時間があった。
ヤング だから、他のアクトと時間が被っていても、ある程度は観られた。あと、特に〈SOLAR STAGE〉は後ろの方で座ってのんびり観てられるのも良かったね。
澤田 確かに座って楽しんでる人は多かったですね。そのまま寝てる人も結構いましたけど(笑)。
ヤング で、アルバム・リーフに話を戻すと、エレクトロニカなエッセンスを採り入れてるんだけど、生演奏の比重がすごく大きいステージングだったね。ディレイのかかったギターの音色と、野外のロケーションとの相性がすごく良かった。リズム・セクションの心地よさも、あの暗い森と妙にマッチしていて、音に身を任せる快感があったなあ。
澤田 ぼくは、そのアルバム・リーフのときにやっと会場入りしたんですよね。で、〈LUNAR STAGE〉のマシュー・ディアーに行きました。地味目のテック~クリック・ハウスを一貫してスムーズにプレイしていて、ウォーミング・アップとしてばっちりだったし、全然飽きさせない。こういう音の気持ちよさってなんなのかなあ、とか思いながら踊っていて、気づいたら2時間経ってた、みたいな感じでした。
ヤング 俺はその時間、寝てたなあ。
澤田 もう? 早すぎません?
ヤング いやいや、観たいものを考えると、寝る時間がほかになかったからね。とりあえずここで寝れば朝まで大丈夫だろう、と
澤田 なるほど。で、次は山奥の〈PLANET STAGE〉に行ってセオ・パリッシュを堪能しました。

PLANET STAGE (C)eyespyeyes
ヤング 〈PLANET STAGE〉はロケーションが最高だったね~。音響も良かったし、後ろの方の山にいても聴けるし。野外ならではの気持ちよさが詰まってるステージだった。
澤田 そうですねえ。セオのプレイも素晴らしかったです。ディープな作風とは裏腹に、DJではかなりハッピーな面を見せる人じゃないですか。その祝祭感が、野外ということもあってか、すごく前面に押し出されていた。ディスコ~ハウスは意外と少なめで、ジャズっぽいものを比較的多くかけてたのも印象的でしたね。
ヤング 俺はその裏のマニュエル・ゴッチング&アシュラを観たよ。
澤田 セオが楽しすぎて、ゴッチングを観に行くタイミングを失っちゃったんですよね……。どうでした?

MANUEL GOTTSCHING & ASHRA (C)eyespyeyes
ヤング 名盤『New Age Of Earth』の曲をいくつかやってくれたのが嬉しかったね~。サウンド面は、かなりダンス寄りにアップデートされていて、ラップトップで音を出すビート・メイカーがバンドの肝になっている感じだったよ。あと、ドラマーが、〈アシラ〉ってカタカナで書いてあるTシャツを着てたのが印象的だった(笑)。
澤田 それは気になりますね。グッズ・ショップで売ってたんでしょうか(笑)。
ヤング その後は、ジョー・クラウゼル。前の時間のセオ・パリッシュが、ラストにポーティスヘッドをかけて、そんなダークな曲で交代なの?っていう(笑)。でもジョーはいつもながらのドラマチックなDJで、しょっぱなから盛り上げてたね~。そのまま離れたくなかったけど、ギャラクシー2ギャラクシーが始まったから、仕方なくという感じで〈SOLAR STAGE〉に向かった。
澤田 ぼくも朝方の最後の方にジョーを聴きましたけど、スティーヴィー・ワンダーの“Another Star”とかをかけていて、すごくハッピーな感じでした。で、ギャラクシー2ギャラクシーですが……。
ヤング 冒頭から、いきなり“Jupiter Jazz”をやってくれたからねえ。高校生くらいの頃から一生懸命聴いてたものが再現されてるっていう。そういう思いもあるから客観的にうまく言えないよね。とにかく興奮したな。
澤田 “Jupiter Jazz”はコード以外の要素を、音源とはかなり変えてたじゃないですか。この曲に限らず、とにかく全体的にバンド・アンサンブルで成り立たせたステージングでしたね。そして、何と言っても“Jaguar”、“Strings Of Life”、“Hi-Tech Jazz”っていうラストの3連打!
ヤング 大サービスだったよね。特に“Strings of Life”はびっくりしたし、得したーって思ったな。
澤田 確か、モデル500の曲とかもやってましたよね。デトロイト・テクノ全体を彼らが継承していくような意識があるのかもしれないですね。
ヤング それを日本でやってくれたっていうのも嬉しいことだよね。ここに理解者がいることを知ってくれてるからやるわけで。たぶんイビザじゃやらないでしょう。
澤田 そうですねえ。で、ギャラクシー2ギャラクシーが終わった頃には夜が明けました。

川辺ヒロシ (C)eyespyeyes
ヤング その後は〈LUNAR STAGE〉の川辺ヒロシを観たんだけど、キックも上モノも、かなり太くて強烈な音でガンガン攻めていて。もう体力戦っていう感じだったね。踊り狂っている人がいる一方で、あのステージは屋内だから、後ろの方には寝ている人もゴロゴロ転がっていた(笑)。
澤田 ぼくは〈SOLAR STAGE〉でコブルストーン・ジャズを観ましたけど、最高でした。テック~クリックなビートを繰り出しながら、かなりフィジカルに生演奏を絡めるんですけど、全体の音像が完璧にコントロールされていて、破綻がないし、めちゃくちゃ気持ちいい。あまりに構築されているから、ステージをよく見ないと生演奏っていうのがわからないくらいで(笑)。朝方だし、さすがに疲れてたんですけど踊るのをやめられなかったですね~。
ヤング その頃には、雨脚もかなり強くなってきたんじゃない? 俺は結局、川辺ヒロシで締めたんだけど。

COBBLESTONE JAZZ (C)eyespyeyes
澤田 そうですね。コブルストーン・ジャズで燃え尽きたということもあって、ぼくもここで締めました。というわけで、今回はふたりとも〈メタモ〉初参加だったんですが、いかがでしたか?
ヤング 距離的に、東京からそこまで遠くないし、結構気軽に行けちゃうところが良いよね。ミニスカで参加してもOK、みたいな。それでいて、アーティストのセレクトは渋いところもあったりして。フラ~っと楽しめるし、コアにハマることもできる。来年も参加したいよね。
澤田 確かに、そういう自由さは魅力でしたね。ロック担当のヤング係長も、これでレイヴに開眼したと。
ヤング そうだね。次は新島のパーティーに行きたいな。
澤田 それ、いつの時代の話なんですか……。
▼文中で紹介した出演アーティストの作品を紹介