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連載/コラム

第11回 ─ 〈サマソニ〉復習編 Part.2 各アクトの詳細をレポート!

連載: オレら の 夏 フェス 予習・復習帳 '08

掲載: 2008年08月28日 18:00

更新: 2008年08月28日 18:38

文/北野 創、桑原シロー、澤田大輔、土田真弓

東京・大阪で同時開催された都市型ロック・フェス〈SUMMER SONIC 08〉の復習編第2弾! 参加者5名による名場面集をお届けした第1弾に続いて、今回は各アクトを詳細にレポートいたします!

8月9日(土)

11:00~
■いとうせいこう & POMERANIANS≡ @ ISLAND STAGE


いとうせいこう & POMERANIANS (c)SUMMER SONIC 08 All Rights Reserved.

  太陽がジリジリとアスファルトを焦している。向こうにぼんやりと浮かぶのは〈BEACH STAGE〉。そこにオープニング・アクトとして登場したいとうせいこう&POMERANIANS≡は、まず清涼感溢れるラヴァーズ・ロックでオーディエンスの耳を潤した。この涼しさは最高!なんて思っていると、次第にズブズブとダビーなサウンドが渦巻く時間へと突入。鼓膜と腰を刺激しまくる重低音が会場を支配し、ステージ上の風景が陽炎のようにゆらゆら揺れだす。白眉は、超スピリチュアルな“なんまいDUB”。彼らが放つ、重~い南無阿弥陀仏は、こちらの意識を遠のかせるに十分な力を持っていた。ガンガンとサウンドが迫ってくるのだが、目も意識もとろ~んとしてきてしまうのだった。朝イチから目眩を誘うサウンドを繰り出したこの攻撃的音楽集団。マジでバンドとしての一体感は素晴らしいものがあった。舞台の上では先輩後輩の上下関係など存在せず、表現者として誠実にぶつかり合う様をあの場に居た全員は目撃した。彼らのファースト・アルバムである『カザアナ』のその先をぜひ見たい。そう強く感じさせてくれるライヴであった。*桑原

12:30~
■Perfume @ DANCE STAGE

  東京公演の1日目、〈DANCE STAGE〉最初のアクトとなるPerfumeが、まさか今年の〈サマソニ〉全体を通して最もデンジャラスなライヴになるとは、夢にも思っていなかった……。開演20分前から身動きもとれないほどの大混雑、もはやコントロール不能となったフロアをスタッフの怒号が飛び交うなか、ついに3人の天使が舞い降りた! 初っ端から名曲“チョコレイトディスコ”を放ち、オーディエンスを危険なまでの興奮へ誘った後は、ウォームダウンも兼ねて、可愛らしい広島弁のMCでゆるーくコール&レスポンス。のっちの「隣の人は敵じゃないんだからね!」という言葉が、これはやっぱりスゴイ状況なんだろうなあと我に返らせてくれる。その後も、“love the world”“Baby cruising Love”と旬の曲を披露して、ラストは当然“ポリリズム”というベストなセットリスト! 残念ながら、Perfumeの姿は遠目でチラホラとしか確認できなかったのだけど、時々、照明の具合でステージ側面の壁に大きく映る彼女たちのシルエットを眺めているだけで、なんだか幸せな気持ちに。いま、ここまでカーニヴァルな空間を生み出せるアーティストは、彼女たち以外にいないんじゃないの?と思わせるぐらい、時代を掴んだアイドルの勢いがビンビンと伝わるライヴでした! *北野

13:25~
■YELLE @ DANCE STAGE

  想像を絶する混みっぷり&入場規制でPerfumeは観れなかった……が、俺たちにはイエールがいるぜ! というわけで、ある意味フランスのPerfume(?)なエレクトロニック・ミューズを観るべく再度〈DANCE STAGE〉へ。パープルのスパンコール・シャツに真っ赤なタイツ姿のイエール嬢は、冒頭の“Tristesse/Joie”から、ステージ上をところ狭しとピョンピョン飛び跳ねる。打ち込み中心のサウンドながら、バックにはドラマーもいるのが日本の歌番組を見ているようで(?)面白い。前半は80'sでコケティッシュなエレクトロ・ポップで持ち前のキュートネスを振りまき、中盤からはオールドスクール・エレクトロ~バイレ・ファンキのブーミーなビートで下世話に迫る。途中で振り付けのコール&レスポンスをする辺りもPerfumeっぽいような(しつこい)。なによりも、エレクトロニックなサウンドとフランス語の語感との組み合わせが気持ちいい。フレンチでエレ・ポップな歌姫の元祖、リオの名曲“A Cause Des Garcons”のカヴァーをラスト近くで披露し、最高潮の盛り上がりを巻き起こすと、「メルシー・ボークー、アイ・ラヴ・ジャパン!」と投げキッスを決めてステージを後にした彼女。終演後は男子も女子も「かわいい~」を連発してました。*澤田

14:30~
■SANTOGOLD @ DANCE STAGE


SANTOGOLD (c)SUMMER SONIC 08 All Rights Reserved.

  ネクストM.I.A.などと囁かれる話題のアメリカン・ガール。どんだけヒップなお方なのかしっかり確認せねば、と乗り込んだ〈DANCE STAGE〉。まずステージには、オモロそうな面々が並んでいた。蝶ネクタイのバンド・メンバーに無表情なダンサー2名。そこに主役であるキラキラしたブルーの衣装に身を包んだサントゴールド嬢。まずヴィジュアル面でこちらのハートをガッチリ掴んでくれました。“You’ll Find A Way”や“Say Aha”といったキャッチーなナンバーを矢継ぎ早に披露していく彼女とそのバンド。時にニューウェイヴィーだったり、ガール・ポップ・チックだったり、ダンスホール風だったりとファースト・アルバム『Santogold』の世界観の如く、出てくるサウンドは万華鏡的。さて、その指揮官であるサントゴールドは期待以上の暴れっぷりを見せてくれたわけが、新人らしい初々しさは全然なく、どっしりとした貫禄を放っていたのが印象的であった。聞けば、バンドを従えてのライヴを始めたばかりだという彼女。そのせいか今回のステージではトチリも何回か見られたけど、指揮官として力を高めて、よりオモロい集団を築いていってほしい、などと最後に付け加えておこう。*桑原

15:40~
■Curly Giraffe @ RIVERSIDE GARDEN

 都市型フェス〈サマソニ〉にあって、最もユルい空気の流れるステージ〈RIVERSIDE GARDEN〉。午後の日差しを浴びるこの芝生エリアに、高桑圭のソロ・ユニット=Curly Giraffeが登場した。白根賢一、堀江博久、名越由貴夫という手練手管のバンド陣を従えて繰り出されるアコースティックでメロウなサウンドは、川&海沿いのロケーションにハマり過ぎ。70年代のアメリカ西海岸から、時間も空間も飛び越えて吹き込んで来たかのようなレイドバックした空気が辺りを包み……トローンと夢心地。思わずビールも進む。思い思いの格好で座り込み、ライヴを楽しんでいるオーディエンスも、実にいい感じだ。彼らは昨年も同じステージに出演しており、「去年も観に来た人、いますか?」と高桑が声を掛けると、サササッとたくさんの手が挙がった。そりゃあ、これだけ好相性の場と音はそうないんだから、一度観たらまた来てしまうよなあ、と一人で納得。ラストには「来年はここに3万人集めるんで!」なんて言っていたけど、Curly Giraffeには〈RIVERSIDE GARDEN〉の風物詩バンドとして、是非今後もずーっと出演し続けて欲しいです。*澤田

16:20~
■JOHNNY FOREIGNER @ ISLAND STAGE

  予想外の集客(失礼)で膨れ上がった〈ISLAND STAGE〉内の異様な熱気にも驚かされたが、メンバーが登場した時にお客さんたちが見せた熱狂的な歓迎ぶりにはさらに驚かされた。そんな会場の雰囲気に呼応するように、超ハイテンションの掛け合いヴォーカルと共に “Champagne Girls I Have Known”で走り出した3人は、観ているこちらの顔が思わずほころぶほどの弾けようだ。ファースト・アルバム『Waited Up ‘Till It Was Light』のジャケにも採用されたトレードマークの(?)お化けキャラが描かれたギターを掲げ、冒頭からアグレッシヴに煽りまくるアレクセイ、マイクそっちのけでステージ中央に飛び出し、キュートなシャウトを繰り返す紅一点のベーシスト・ケリー、パワフルなドラムとドリーミーなシンセを器用に操るジュニア。そんなメンバーのパワフルなステージングに負けじと、コンクリートの床面をものともせず、果敢に人波の上を泳いでいく観客たち。ポップでラウドでファニーでノイジーなオルタナ・サウンドを目一杯楽しもうという空気が会場全体に満ちていて――これほどに幸福なライヴ・パフォーマンスには、そうそう立ち会えるものではないでしょう! アーティストとオーディエンス、双方が発するエネルギーが奇跡的な相乗効果を生んだ、夢のような40分間だった。*土田

17:15~
■DEATH CAB FOR CUTIE @ SONIC STAGE

  最新作『Narrow Stairs』が全米アルバム・チャートの1位を獲得して、もはや大物バンドへと成長した感のあるデス・キャブ・フォー・キューティー。とはいえ、メンバーはそんな貫禄を微塵も感じさせないラフな格好で、観衆が固唾を呑んで待つ〈SONIC STAGE〉にゆるりと登場した。ライヴは最新作でも幕開けを飾った“Bixby Canyon Bridge”でスタート。幻想的なイントロの心地よさに浸っていると、一転、歪んだギター・リフが空気を切り裂き、会場を一気にデスキャブ・ワールドへと塗り替えていく。ディストーションの効いたギターとタイトなドラムスが激しく絡み合うなか、ベン・ギバートが透き通るような歌声で美しいメロディーを紡いでいくと、そのサウンドは甘美なソフト・サイケといったイメージに変貌。静と動、あらゆる音像が一体となって、ゆらゆらと全身に心地よく染み入る。ラストの“Transatlanticism”がドラマティックに幕を閉じた後も、延々と鳴り渡るフィードバック・ノイズがあまりにも気持ち良すぎて、マジで昇天してしまいそうな気分。みんなもそう思ったのか、バンドが去った後も名残惜しそうにステージを見つめる人たちが印象的だった。*北野

18:25~
■THE VERVE @ MARINE STAGE

  初来日公演ということもあって場内の期待値がグングンと上昇するなか、シンフォニックなSEと共に現れたメンバーは、初っ端から“This Is Music”を投下。遠目から見ても、リチャード・アシュクロフトが放つロックスター然としたオーラは圧倒的だ。ドライヴィンなロックンロールが渦巻く舞台のど真ん中で、客席に向かって「ここ(ハート)で聴け!」と言わんばかりに拳で胸を叩き続けている。観客が一気に興奮の坩堝へ叩き込まれたところで、続くは名曲“Sonnet”。90年代のヒット・ナンバーの応酬だが、会場全体の熱狂ぶりは、決して懐古趣味からということではない。これがホンモノの証なのだろうが、〈フジロック〉におけるマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのパフォーマンス同様、曲自体が持つ〈深み/凄み〉が〈2008年の音〉として見事に再現されていた。終演近くになって、いよいよ彼らの代名詞 “Bitter Sweet Symphony”のイントロが流れると、アリーナからは盛大な歓声が沸き、さらに比較的年齢層が高いと思われるスタンド席では、感極まって口元を押さえている観客の姿もちらほらと……。開演直後からサイケデリックな新曲“Love Is Noise”で幕を引いたラストまで、会場のいたるところから〈This Is Music!!〉という声が上がっていたが、それは当然、曲名を指すものではない。〈これが音楽だ!!〉と叫ばずにはいられないほどに、文句のつけようがない圧巻のパフォーマンスだった。*土田

19:10~
■HOT CHIP @ DANCE STAGE

  昨年も登場した〈DANCE STAGE〉に堂々の帰還を果したホット・チップ。しかも今年は初日のトリ! ほぼ横一列にズラーっとポジションを取ったメンバーたちからは、強烈にナードな雰囲気が漂う……のだが、エレクトロ勢のなかでは群を抜いてフィジカルなバンド・サウンドをグイグイとドライヴさせて、集いに集ったやんちゃなヤングを躍らせまくっているのが痛快だ。冒頭から“Out At The Pictures”“Shake A Fist”のバウンシーなビートでフロアーを横に揺らすと、“Hold On”からは4つ打ちチューンの連打。“No Fit State”では、エレクトロ・バンドの師匠格であるニュー・オーダー“Temptation”のフレーズを挟み込み、年季の入ったエレ・ポップ好きを狂喜させる。そしてクライマックスはもちろん“Ready For The Floor”。'00年代仕様のブルー・アイド・ソウル、とでも言うべき高揚感たっぷりのサウンドを笑顔で浴びるオーディエンス。若干のインターヴァルを経て、アンコールっぽく出て来た彼らが披露したのは、なんとプリンスの“Nothing Compares 2 U”。シニード・オコナーのカヴァー・ヴァージョンで有名な、このバラードで締めくくったのにはちょっと面食らったけど、よくよく考えてみれば、彼らの魅力の一翼を担っているのは、そのメロディー・センスなわけで。実際、この日のアレクシス・テイラーのヴォーカルは意外なほどに骨太で、持ち前の美メロっぷりをがっつりと堪能させてくれたのでした。*澤田

20:05~
■THE PRODIGY

  2006年のベスト盤リリース時以来、約2年半ぶりの来日となったプロディジー。その間、新作リリースなどの目立ったトピックも無く、いちファンとして寂しい思いをしてきたのだけど、今回の公演はそんな気持ちを一撃で吹き飛ばす、過剰なまでのアゲアゲ感と圧倒的なカタルシスに満ちたライヴとなった! サイレン音のようなイントロと共に堂々登場した彼らは、1曲目からライヴの定番曲“Their Law”を投下して、ゴリゴリとしたギター・リフでスタジアムを一気に熱狂の渦へと投下。紅白ストライプ柄のジャケット姿(背中には〈MY DOG WILL KILL YOU〉の文字!)でひたすら煽りまくるキースに、うず高く積まれた楽器類を操るリアム、威圧的なまでの存在感を示すマキシムと、フロント3人によるド派手なパフォーマンスはエンターテイメント感もタップリ。セットリストは、“Worlds On Fire”といった初期のレイヴ・サウンドに回帰したかのような新曲(最高!)を挟みつつ、“Breath”や“Firestarter”などのヒット曲も惜しみなく放出した、ほぼベストと言うべき選曲。アンコールでは、リアムがビデオカメラをまわしたり、客席まで降りてきたりと、心から楽しんでいる様子を見せながらも、最後はお馴染み “Smack My Bitch Up”でキッチリと締め。で、もちろん大満足の45分だったんだけど、こちらのプロディジー熱はますますヒートアップしてしまったわけで……早く新作が聴きたいよ! *北野

20:10~
■PAUL WELLER


PAUL WELLER (c)SUMMER SONIC 08 All Rights Reserved.

  この熱い感じ……言い換えれば、闘争心ってことになるのか。〈いま〉という時間と格闘を続ける男(50歳)の叫びっつうものが、一日目の〈SONIC STAGE〉のラスト・ステージにはこだましていた。先頃、大作『22 Dreams』をリリースし、果たしてこの人に創作意欲の衰えというものがおとずれることってあるのだろうか?とファンに感嘆の声を上げさせたポール・ウェラー。その新作を引っさげての〈サマソニ〉参加となったわけだが、結論から言うと、狂おしいほどのロック魂を迸らせたステージを繰り広げてくれたのである。渋くてアーシーだけど、アグレッシヴでパンク精神を孕んだサウンドを叩きつけるこの大ヴェテラン(50歳)。“The Changingman”“Wild Wood”といった名曲が熱っぽく響き渡り、こちらの耳を激しく打った。また、終盤に披露された“The Eton Rifles”、アンコールで飛び出した“Town Colled Malice”というジャム時代のナンバーは会場の大合唱を誘ったが、それよりも新作からのナンバー、“Echoes Round The Sun”などが放つ生々しい響きのほうが個人的には胸に残っている。新しく誕生したそれらの曲が舞台上で目いっぱい躍動している様がとても頼もしく思えたのである。誠に素晴らしかった。*桑原

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介





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