日本最大級のダンス・ミュージック系野外フェス〈METAMORPHOSE 08〉まで、あと1週間とちょっと。そろそろ準備をせねば……というわけで、今回お届けするのは〈メタモ〉予習対談。bounce.com編集員の澤田と、元編集員のヤング係長が、当日の出演アーティストなんぞを肴にゆるーくお話しいたします。

澤田 〈METAMORPHOSE〉も、ずいぶん長いことやっているフェスですが、実は今年が初参加なんですよ。
ヤング 俺も初めてなんだよね~。
澤田 もともとロック担当ですもんね。そんなヤング係長を、この野外レイヴへ向かわせる要因はなんでしょう?
ヤング やっぱり面子が豪華だし、完全クラブ型みたいな人じゃなくても楽しめるラインナップになってるもんね。アルバム・リーフ(レビュー#1)とかtoe(レビュー#2)みたいなバンドものも入ってるでしょ。
澤田 ラインナップは間違いないですよね。「この人とこの人が一緒に出るの、おかしくない?」みたいなこともないし(笑)。
ヤング 実に手堅い。すごく音楽好きの匂いのするフェスだと思う。
澤田 そういう意味では、〈フジロック〉のカラーにちょっと似ているかも。フジのレイヴ版、みたいな。
ヤング そうだね。で、〈渚音楽祭〉が〈サマソニ〉のレイヴ版なんじゃないかな(笑)。

GALAXY 2 GALAXY
澤田 じゃあ出演アーティストを見ていきましょうか。
ヤング 今年の目玉は、やっぱりアシュラとギャラクシー2ギャラクシーでしょう。まあ、ギャラクシー2ギャラクシーは〈METAMORPHOSE〉への出演自体が2度目だし、アシュラも、中心人物のマニュエル・ゴッチングが2006年に出演してるから、ちょっとサプライズ感は薄いかもしれないけど。
澤田 でも、どっちも絶対観るでしょう! ギャラクシー2ギャラクシーの“Hi-Tech Jazz”が聴きたくて参加するって人もいそうですよね。

ASHRA
ヤング そうだね~。アシュラだったら“Sunrain”は聴きたいな。
澤田 あと、なんといっても“E2-E4”。テクノ/ハウスのルーツ的名曲!
ヤング あの曲は長過ぎるからやらないんじゃないの?
澤田 ミニマルな曲なんだから、長さはどうにでもなるじゃないですか。
ヤング かといって5分くらいのショート・ヴァージョンにされても嫌だけどね(笑)。
澤田 フレッシュな注目アクトとしては、コブルストーン・ジャズ(レビュー#3)がいますね。名前の通りジャズ的な即興性を組み込んでるユニットなんで、ライヴも期待できるんじゃないかと。

COBBLESTONE JAZZ
ヤング デリック・メイの“Strings Of Life”とかをカヴァーしていた人たち?
澤田 それは、クリスチャン・プロマーズ・ドラムレッスンじゃないですかね……。あれはかなりストレートにジャズですけど、コブルストーン・ジャズは、あくまでミニマル/テック・ハウスの文脈のなかでジャズ的なものをやってるんです。
ヤング 日本勢だとやっぱり特筆すべきなのはNujabesかな。今回はライヴ・セットみたいだね。Nujabesは謎に包まれている部分も大きいし、生で観たいっていう人は多そう。そもそもライヴをあまりやる人ではないから、観たことのある人の絶対数が少ないわけで。
澤田 一方でクラムボン(レビュー#4)は知名度が高いけど、それが逆に異色な印象を与えているような。

クラムボン
ヤング 彼らは表面的にはポップなバンドだけど、アヴァンギャルドな面も、ジャム・バンドな面もある。だから、そう異色でもないんじゃないかな。実際、ダンス系のフェスに出た経験もそれなりにあると思うし。
澤田 ライヴ・アクトのなかだと、何が一番楽しみですか?
ヤング アルバム・リーフ。彼らは、方法論的にはポスト・ロックのバンドだし、このフェスのなかでは、かなり特殊な存在になると思うんだ。でも、そんな彼らが、ここに入ってきてるのはライヴの評価が高いからだと思うんだよね。ダンス好きには知名度も注目度も高くないけど、ロック担当としては彼らを推しておきたいな。
澤田 じゃあ、DJ陣についてはどうですか?

DJ NOBU
ヤング 結構ディープな面子のなかで、野崎良太(JAZZTRONIK)(レビュー#5)がキャッチーな存在で目立つよね。一方でDJ NOBU(レビュー#6)みたいなアンダーグラウンドな人もいるっていう。このバランス感は楽しそう。
澤田 それは確かにそうですね。ジョー・クラウゼル(レビュー#7)とセオ・パリッシュ(レビュー#8)が一緒に出ることって、日常のパーティーではあまりないわけで、そこをまとめて楽しめちゃうのはフェスならではって気はします。

THEO PARRISH
ヤング そうだね。だから、ひとつのブースにどっぷりハマるよりは、そうやってぶらぶら移動しながら、いろんなDJを楽しむのがいいかもしれない。あと、ダンス・ミュージックの野外フェスってところで、サウンドシステムにも注目したいよね。
澤田 そういう意味では、ジャー・シャカは楽しみですよね~。どこまで低音を出してくるのかっていう。〈フジロック〉で観たエイドリアン・シャーウッドはかなり極悪な低音をかましてたんですけど、それと比較したりしながら楽しみたいですね。UKダブ対決みたいな。
ヤング がんがん踊らせてくれそうな面子が多いから、そういうユルく楽しめる時間は作っていきたいよね。ずっとバキバキだと疲れちゃうし。まあ目玉のアシュラは超チル・アウトになるだろうけど(笑)。
澤田 じゃあ最後に、ラインナップ全体を眺めてみて、思うことってあります?
ヤング ものすごくおおざっぱな言い方になっちゃうけど、黒いグルーヴと白いグルーヴの混ざり方がいいんじゃないかなあ。アシュラなんかは真っ白なわけでさ。
澤田 ギャラクシー2ギャラクシーは真っ黒ですもんね。でもその二つは意外と繋がってるという(笑)。確かにそこは面白いかもですね。