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第2回 ─ カルテ#2 ひとめぼれ

第2回 ─ カルテ#2 ひとめぼれ(2)

連載
ら ぶ い しゃ
公開
2008/07/31   23:00
ソース
『bounce』 301号(2008/7/25)
テキスト
文/bounce編集部

氏名 中村 中


プロフィール
歌謡曲テイストの楽曲と自身の心情をぶつけたディープな歌詞で注目を集めるシンガー・ソングライター。ニュー・シングル“風立ちぬ”(avex trax)がリリースされたばかり。8月9日に東京・原宿クエストホールにてアコースティック・ライヴを行う予定。詳しくは〈www.nakamura-ataru.jp〉へ!

  私にとって〈ひとめぼれ〉と言ったら、彼らしか思い浮かばなかった。そもそもひとめぼれをしたりしないタイプなのかもしれない私のことを、ぐわんぐわんに揺さぶったのは彼らの音楽でした。世間とは一足遅く、セカンド・アルバムで野狐禅を知ったきっかけとなったのは“東京紅葉”だった。〈秋でもないのに、頬に赤い紅葉〉と歌う竹原ピストル。言葉、音、声、すべてが鋭利で優しかった。そもそもピストルってなんだ!? 人の名前か!? そんなことを思ったりしたのは束の間、それ以来私にとって聴くたびに涙してしまう唯一の音楽となりました。

四季折々の匂いと胸を締め付けるような切なさが詰まったこの名盤から、どうしようもなさ満載な愛おしい男子の物語“東京紅葉”を選ぶとはロマンティスト! ひとめぼれをしない貴女が、それをしてしまった時こそ運命の出会いかも。

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