職人肌で豊かな創造性を持ったインスト・ロック界の注目株!

笑いが止まらないほどの昂揚感をもたらす音楽。張り詰めた空気が充満する、決してBGMにはなり得ない音楽。制約のないグルーヴで快楽中枢を刺激する音楽。驚異的なテクニックによって奏でられる旋律が、有機的に交錯する音楽――。そんな音楽を求めるのなら、regaのファースト・ミニ・アルバム『RONDORINA』を聴いてみるといい。
愛媛出身、現在は東京で活動する彼らは、ドラムとベース、そしてツイン・ギター(それぞれ62年製のストラトキャスターとテレキャスターを愛用)を擁する4人組ジャム・バンド。膨大な数の機材を駆使するそのサウンドは、ジャズ、ロック、プログレ、ブレイクビーツ、エレクトロニカなどを次々とシャッフルしていくかのような、スリリングでフリーフォームなインストゥルメンタルだ。みずからの技をストイックに磨き続ける職人肌なミュージシャンシップと、既存の規格を自由な発想で打ち破る新世代らしさが見事に同居している。また、音をほとんど歪ませず、フレーズやリズムのおもしろさ、その組み合わせ方や響かせ方でドラマティックなうねりとオーガニックなグルーヴを生み出している点も彼らの大きな魅力だ。音がクリアなだけに、ごまかしは一切ない。左右のトラックへ完全に振り分けられた2本のギターと多彩なリズムによる劇的なアンサンブルが、リスナーを心地良い異空間へと誘う――そんな本作は、いま注目を集めるインスト・ロック作品のなかでも聴き逃してはならない一枚と言えるだろう。

regaの2008年にリリースされた限定シングル“rega”(SOPHORI FIELD/colla)