次松大助が見つめる、とある町の日常──

怯えきって意識を失い、自分の傷口にも気付かずに暴れ狂っている。もしくは祭りの時期、箸が転ぶもめでたく、彼ら皆一丸となって陽気に騒ぎ、殴り合っているようにも聴こえる。梅雨入り宣言が為された夜の、濁ったクリーム色の川のうねり。
大半のカメは下流へ流されましたが、数日するとカメの数はおおよそ元に戻っていました。帰ってきたのか、さらに上流から流れ着いたのか。……カメは焼いたら喰えるのか? もし近々食糧危機が来たら、川のカメは焼いたら食べられますか? また、身の回りで食べられそうなものは? この辺りなら、鳥と魚? 「ハイ、今日から食糧危機です。色々&諸々崩壊です」となったとき、パンが一斤20万円するようになったときに、何が必要か。ピンクのモヒカンに鋲の付いた革ジャンを着て、片手にチェーンソーを持った屈強な男たちが、燃料高騰のためバイクではなく自転車にまたがり町を徘徊しながら〈胸に七つの傷のある男〉を探すような状況になったとき、僕に必要なものはとりあえず……浄水器? 無ければスポンジの大きいので何とかなるかも知れない。川で掬った水を鍋に入れて沸かして、上に大きなスポンジを被せて、こまめに別の容器に絞ったりして。あと、エアガンと傷薬とマスク? エアガンは護身用というのも少しはありますが、大した効果は無いと思います。それより、鳥や魚を捕まえるのに便利かも、と思って。傷薬とマスクは自分や家族の為というのもありますが、不衛生な環境になった場合に、それらを大量にもっていると、食糧との取り引きが(多少は)出来るんじゃないかと思って。おそらくそういう状況になった場合に食糧と取り引き出来るのは、同じく〈食糧〉と、〈薬〉と〈性〉です。少し暖かくなってベランダに居る時間が少しずつ増えて、昨日そういうことを考えました。
今日は昼間、雨でした。夜になって降り止んで、今は曇っています。曇りの日は、神様(神様的なもの、という意味です。誤解なく)が少し近くにあるように感じますが、猫背でミドル・スモーカーの僕は肩が凝り、頭痛がします。雨は、今もやはり、苦手です。
今月のBGM
The Miceteeth
『Constant Music 2』
サブスタンス
こないだ久しぶりに聴いたら良かったので良かったです! 2006年作。遥か昔のような気がする。南米に、直径80cmはあろうかという巨大なぶどうを食べに行ったときに撮影したジャケット写真がサイケデリックです。
PROFILE
次松大助
99年に大阪で結成されたスカ・バンド、The Miceteethのヴォーカリスト。バンドのアルバム『07』、ソロ・プロジェクトである箱のファースト・アルバム『long conte』が好評リリース中。現在は曲作りに没頭する日々。その他の最新情報は〈www.miceteeth.net〉にて。