甘く切ないソウル・リイシューの醍醐味
前置きはナシで……まず、オヴェイションズの編集盤『One In A Million : The XL And Sounds Of Memphis Recordings』がマスト! サウンド・オブ・メンフィスやMGM、チェスなどの諸レーベルに残した音源や未発表曲を集めた72~78年の作品集で、好青年声で愛を歌うルイ・ウィリアムズのサム・クックぶりが最高なのだ。続いては、一応バンドを従えつつも実質的なソロ作として認識されているラリー・グラハムの79年作『Star Walk』。チョッパー・ベースの創始者として初期のバンド名義作ばっか何度もリイシューされるが、この時期の軽薄ディスコやメロウ・ファンクでのムダに甘い歌声も絶品なのだよ! で、最後はスタイリスティックスの隠れ名作『A Special Style』(85年)。ジャクソン5好きのエレクトロ職人というモーリス・スターがその特性をフルに発揮したモダンな鬼甘盤で、これもマスト! 某ギャツビーはもう当分いいでしょ。