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第358回 ─ GODFATHER

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/06/05   21:00
ソース
『bounce』 299号(2008/5/25)
テキスト
文/リョウ 原田

高橋透の過激なプレイを体感せよ!


  〈老いてますます過激になる〉――これはTHE BODY SHOP創業者であるアニータ・ロディックの座右の銘ですが、それは30年のDJ歴を誇る高橋透にも当てはまる表現だろう。80年代NYでユーロ/ガラージ両面の快楽ディスコ体験を通じて〈Sleng Teng〉や初期ハウスとも邂逅した彼は、帰国後は日本ハウス・シーンの立役者として活躍してきた。近年は宇川直宏+MOODMANとの不定型パーティー〈GODFATHER〉で後進にも影響を与える〈Mr DJバカ一代〉の彼が、同パーティーの10周年記念シリーズ第1弾として、クリック~プログレ・ハウスの極北を駆けるミックスCD『GODFATHER 10th anniversary vol.1 -deathcovery mix -Mixed by TOHRU TAKAHASHI』をドロップした。コンパクトのグイ・ボラート“Gate 7”やジェイムズ・ホールデンのリミックス仕事、アンダーワールドのリミキサーにも指名されたオブリヴィオンのクリック音源などを収めた全体の質感は、ディープ・ハウスの手法を継承したテックというより、アシッド・ハウス直系の情感を廃した暗黒世界に近い。これは相当に過激です。


高橋透の著書「DJバカ一代」(リットーミュージック)