NEWS & COLUMN ニュース/記事

第144回 ─ 独自のアーバン道を歩むマイロンを聴け!!

連載
360°
公開
2008/05/22   03:00
更新
2008/05/22   17:32
ソース
『bounce』 298号(2008/4/25)
テキスト
文/林 剛

  マイロンが約5年ぶりに放つニュー・アルバム『Myron & The Works』は、ミシェル・ンデゲオチェロやロバート・グラスパーらジャズ~R&Bを跨ぐ腕利き演奏家たちとのセッション作品となった。実に、幼少期からドラムや鍵盤楽器を演奏するなど器楽コンシャスであり続け、ロウなグルーヴのR&B作品を追求してきたマイロンらしい企画である。

マイロン(・デイヴィス)はオハイオ州クリーヴランドの出身。その名を最初に確認できたのは90年代半ば、地元のヴォーカル・グループであるルネッサンスの作品で、ここでソングライトに関わった彼は、96年にアイランド・ブラックとソロ契約している。その後サントラ『Eddie』で“Sistas”を披露すると同時にドゥルー・ヒル“Tell Me”のソングライターとしても注目を集め、98年に『Destiny』でアルバム・デビュー。だが、程なくしてレーベルの閉鎖で行き場を失ってしまった。一時は引退も考えたという彼だが、それでもLVの作品に関わるなど裏方活動を続行する。バークリー音楽大学時代からの盟友であるジョシュ・ホニストックとのタッグも強化して、2003年には自主レーベルのモジャから『Free』をリリース。同郷のコーニャ・ドスをはじめ、下で紹介したような作品にも関わっていく。新作の『Myron & The Works』は、そんなマイロンの半生を集大成した一枚とも言えるだろう。

▼『Myron & The Works』に参加したアーティストの作品を一部紹介。

記事ナビ