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第347回 ─ Fall Out Boy

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/05/15   00:00
更新
2008/05/15   16:16
ソース
『bounce』 298号(2008/4/25)
テキスト
文/宮原 亜矢

頂上到達!? FOB初のライヴDVD&CDが登場!


  エモの枠を飛び越え、ヒップホップやソウルなどを盛り込んだ最新作『Infinity On High』で全米No.1を奪取したフォール・アウト・ボーイ。このたび同時リリースされた彼らのDVDとCD(共に表題は〈Live In Phoenix〉!)を観れば&聴けば、バンドの花形はピート・ウェンツ(ベース)であることが理解できるだろう。MCを一手に引き受ける彼は、光るボックスで着替え、ギャルから黄色い歓声を一身に浴びる。だが、“This Ain't A Scene, It's An Arms Race”のプロモ・クリップ(本DVDの特典映像に収録!)でメディアにセレブ扱いされる自身を自虐的に演じてみせたように、スター然とした嫌味はない。暴れ狂うドラムスのアンディ・ハーレーや、ピアノの弾き語りをはじめエモ/パンク・シーン屈指の見事な歌唱で観客を圧倒するパトリック・スタンプらの〈縁の下の力持ち〉があればこそ、ピートは伸び伸びとジャンプして華麗にベースを回転させることができるのかも。バック・ステージ風景などアイドル的なサーヴィス・カットはなく、パフォーマンスそのものに特化した内容からはライヴ・バンドとしての自負を堂々と証明しているようにも感じられる。

▼フォール・アウト・ボーイの作品を紹介。