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連載/コラム

第6回 ─ ZEN-LA-ROCKを迎えてのエレクトロうちあけ話

希代のエンターテイナーにして、ヒップホップの未来を担うラッパー、サイプレス上野の月刊連載! 日本語ラップへの深~い愛情を持つサイプレス上野と、この分野のオーソリティーとして知られるライター・東京ブロンクスの二人が、日本語ラップ名盤を肴にディープかつユルめのトークを繰り広げます。今回取り上げるのは、98年の国産エレクトロ・コンピレーション『ILL-CENTRIK FUNK VOL. 1』。ゲストにはZEN-LA-ROCKが登場です!


●今月の名盤:『ILL-CENTRIK FUNK VOL. 1』
〈エレクトロ〉をテーマにしたコンピレーション・アルバム。98年リリース。スマーフ男組、脱線3、Mr. Drunk(MUMMY-D)、福富幸宏、HAIR STYLISTICS(中原昌也)、KZA(四街道ネイチャー)、FRESH CREW(DJ KENSEI & DJ YUTAKA)、L?K?O、下北バンバータ……といった面々が参加。(bounce.com編集部)

ブロンクス 今回は伝説のコンピレーション・アルバム『ILL-CENTRIK FUNK VOL. 1』と、当時のエレクトロ・リヴァイヴァルの話をしようかなと。当時の話を聞くならこの人しかない! ということでマイメンZEN-LA-ROCK君に来てもらいました。これって98年のリリースなんだよね。10年前。

ZEN-LA ヤバいね~。18歳でした。これのおかげで、こんな人間になってしまいました。

上野 俺は高校生すね。「俺は何を聴いてんだろう」と思いながら。

ZEN-LA これリアルタイムで聴いてたの?

上野 聴いてましたよ。学校に行く時にずっと。

ブロンクス 俺がZEN-LA君と最初に会ったのが19歳の頃で2回目の〈エレクトロ・サミット〉*1だったんだけど、そのときのZEN-LA君がすごかったんだよ。上下、パチもんのトラック・スーツ着て、でっかいラジカセ抱えて。そのラジカセには尻尾は付いてるし、さらに上に付けられた巨大な電光掲示板からは〈フレッシュ! フレッシュ!〉って文字が点灯しちゃって。
*1 『ILL-CENTRIK FUNK VOL. 1』の母体となったエレクトロ・ヒップホップのイベント。

一同 (爆笑)。

ZEN-LA あれ、西川口から恵比寿まで抱えて行ってたんだよ。もう目立ちたくてモテたくて、みたいな(笑)。

ブロンクス で、話してみたら同い年だったから「えー!?」っていう。

ZEN-LA 俺は当時のエレクトロの人たちの仲間に入りたくてしようがなかったからさ。とにかくそういう場所に、自分をアピールしに行ってたのよ。

ブロンクス しかもZEN-LA君のラップが、あの時代にMCポッピン*2だったんだよね。
*2 曲の半分のテンポでラップするスタイル。テンポの速いエレクトロ・ヒップホップなどでよく使われた。

ZEN-LA どうやったらオールドスクール・フレイヴァーを出せるんだろうって考えた結果が、MCポッピンだったんだよね。(アフリカ・)バンバータとかにやられてたから、これしかないでしょと思って。

上野 意識的なもんだったんだ。

ブロンクス 当時エレクトロが盛り上がっていく経緯ってどういう感じだったのかな。

ZEN-LA まず、これが出る前に、ユウさん(YOU THE ROCK★)が「エレクトロだ!」って言い出したじゃん。

上野 『THE★GRAFFITI ROCK'98』だ。

ZEN-LA そうそう。で、同時期に脱線3も『Das Back Again』でいきなりエレクトロになった。

上野 俺はそういうのをリスナーとして聴いてて「これはおかしいぞ」と。なんせフレッシュでしたよね。

ZEN-LA フレッシュ過ぎた。当時、俺も雷とか観に行って、かっこいいなとは思ってたんだけど、「自分はこれじゃない」っていう葛藤があってさ。そこにエレクトロとかオールドスクールのリヴァイヴァルが来て、完全に持ってかれたんだよね。

ブロンクス そういうオールドスクール・ブームの土壌を作ったのは、やっぱり〈HIPHOP最高会議〉なのかな。

ZEN-LA そうだね。主催者の千葉さんは、とにかく昔からオールドスクールを推してた。

ブロンクス サン・ラじゃないけどヒップホップの宇宙観みたいのを重要視してたよね。

ZEN-LA 最初に千葉さんに会ったときにビビったのが、全身銀色なんだよ。ジャケットもパンツもスニーカーも帽子も全部銀色。

一同 (笑)。

ZEN-LA 〈HIPHOP最高会議〉はセンセーショナル過ぎたよね。もう宗教じみてた。当時はその面子で週2回くらい集まって、「ヒップホップはどうあるべきか?」みたいのを延々話し合ってるんだよ。ユウさんとかも来てて。

上野 〈HIPHOP最高会議〉って出店も出してましたよね。代々木公園で。

ブロンクス 通称〈デフ屋〉だ。あそこでお面を売ってたんだよね。発泡スチロールの板に、バンバータの顔のカラーコピーを貼り付けただけのお面(笑)。

ZEN-LA あのお面作ってたのがみゃーんさんっていう、ある意味で最重要人物。発電機と車を持ってたから、それで〈HIPHOP最高会議〉が開催できたっていう。

ブロンクス 〈HIPHOP最高会議〉っていつからやってたの?

ZEN-LA 本当に最初はもう92~93年くらいからじゃないかな。

上野 最初は川崎のクラブチッタとかでやってたんすよね。ブロック・パーティーみたいになっていったのはいつからなんすか?

ZEN-LA 俺らが最初に行ったときは、もうそういう感じになってたよね。最初にブロック・パーティー的にやった時は、宮下公園で4日間とか延々やってたんだって。

上野・ブロンクス マジで?

ZEN-LA 変態でしょ(笑)。あと有名な話としては、千葉さんって当時、下北沢のスリッツに朝の4時ごろ、超長い脚立持ってやって来るんだって。で、帰ってった後に便所を見ると、中が一面グラフィティで埋め尽くされてる。脚立がないと届かない高いところまで。

一同 (爆笑)。

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