II それでは実際に聴いてみよう! その1
MAURIZIO 『M-Series』 Maurizio
ベーシック・チャンネル終了後のモーリッツィオが単独でスタートした〈Mシリーズ〉の編集盤である! ベーチャン後期のダブ・ミニマル路線をさらに研ぎ澄ませ、〈音の鳴り〉のみで構成したような究極のミニマル、すなわち極上のクリック! いまなおハウス~テクノ不問の宝である!
HERBERT 『100LBS』 Phono/!K7(1996)
ラウンジ的な雰囲気も採り入れた2001年の『Bodily Functions』で大ブレイクを果たすマシュー・ハーバートだが、珍妙な音&スカスカぶりのハーバート節は、(ややハードながらも)今作の時点で完成されていたのだ。スカスカ・テクノに市民権を与えた功績はあっぱれである!
ISOLEE 『Rest』 Playhouse(2000)
何と言ってもここに収録の“Beau Mot Plage”が必聴なのである! この曲がハウス・シーンも巻き込む大ヒットとなって、いわゆる〈Body & Soul〉系の王道ハウスがクリック・ハウスに遭遇するという歴史的瞬間が生まれたのである! 特にフランソワKにテクノ道を進ませたのは重要である!
RICHIE HAWTIN 『DE9 : Closer To The Edit』 Minus/Novamute(2001)
プラスティックマン名義で90年代からスカスカ・ミニマル道を歩み続ける天才、リッチー・ホウティン。今作で導入されたPC使用/楽曲の解体&再構築ミックスは現在クリック・ハウスDJの基本スタイルじゃ。最強レーベルのマイナスも主宰しておる!
FUMIYA TANAKA 『DJ MIX 1/2 [MIX. SOUND. SPACE]』 DREAM MACHINE(2002)
元はジェフ・ミルズ系ハード・ミニマルの人だった田中フミヤが、本能と感性、そしてフロアに導かれるままに、いち早くミニマル経由のクリック・ハウスに共鳴~傾倒していく瞬間を切り取ったドキュメント的ミックス盤。グルーヴはキープである!
『Fabric 17 : Akufen』 Fabric(2004)
さまざまな音の断片をファンキーに再構築する衝撃的なカットアップを披露したアクフェンは、2002年に『My Way』(現在廃盤)の記録的ヒットで一瞬だけクリック界の盟主となった男だ。自主レーベル=ミュージック・リスキーも好調なようで、そろそろ復活を期待したいものである!