ノラ・ジョーンズが主演したロード・ムーヴィーのサントラで〈音のアメリカ旅行〉へ出発!!
ノラ・ジョーンズの映画初主演で話題のウォン・カーウァイ監督作品「マイ・ブルーベリー・ナイツ」のサントラは、彼女の新曲“The Story”で幕を開けるのだが、同曲は朝日を浴びるようなまったりとくつろいだジャズ・ソングで、未知の物語の始まりを静かに告げる仕上がりだ。さて、それ以外に並ぶソウルやフォークやロックの名曲のチョイスは彼女と監督が行ったそうで、オーティス・レディング“Try A Little Tenderness”やカサンドラ・ウィルソンのニール・ヤング・カヴァー、キャット・パワー“The Greatest”など、アメリカン・ミュージックの多様なスタイルを網羅している。それらをライ・クーダーの書き下ろしによる深めのリヴァーブをかけてビートを立たせたトゥワンギーなインストが、糸のように繋ぎ合わせているのである。弦の響きを重視した彼の代表作でもある映画「パリ、テキサス」のサントラとは異質だが、流れゆく風景の残像のようなサウンドは彼の真骨頂だ。さらにライのプロデュースによるメイヴィス・ステイプルズ曲も収録され、ブルージーなムードを増幅。時間軸も超越した雄大な音の旅が味わえる、重厚感溢れる一枚である。
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