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第9回 ─ [特別編]初日の出ィランディラン

第9回 ─ [特別編]初日の出ィランディラン(2)

連載
ディラン・ディラン
公開
2008/02/21   19:00
ソース
『bounce』 295号(2008/1/25)
テキスト
文/bounce編集部

〈ディラン・ディラン〉のお喋りキーワード解説

1. アイム・ノット・ゼア 
「ベルベット・ゴールドマイン」のトッド・ヘインズが監督した異色のディラン伝記映画のこと(日本公開は今年のゴールデン・ウィーク予定)。すでにヴェネチア映画祭では審査員特別賞を獲得し、ディランを演じた(!)ケイト・ブランシェットは女優賞を受賞。そのサントラ『I'm Not There』(Columbia/ソニー)もこのたび日本盤で登場したばかりで、中身は豪華な顔ぶれが新録したディラン・カヴァー集となっている。本文で触れた面々の他、ジャック・ジョンソン、エディ・ヴェダー、キャット・パワー、ブラック・キーズらディランを敬愛するアーティストが大集合。ロジャー・マッギンやランブリン・ジャック・エリオットといったヴェテランの参加、シャルロット・ゲンスブール&キャレキシコなどのユニークなコラボ、ミリオン・ダラー・バッシャーズなるハウス・バンド(ウィルコやソニック・ユースのメンバー、トム・ヴァーラインらで構成)の演奏にも注目だ。さらにはディラン&ザ・バンドの未発表曲“I'm Not There”まで収録されているのだからたまらない。全音楽ファン必聴の2枚組である。

2. ドント・ルック・バック 
ディラン関係の映像作品として最重要な「Don't Look Back」(Columbia)のこと。2007年にはデラックス・エディション版のDVDが登場し、アウトテイクを使って新たに制作された〈65 Revisited〉が話題に。本編では断片的に使用されていたライヴ映像のフル・ヴァージョンなども収められ、ファンを狂喜させた。

3. ニューポート 
ディラン音楽史における最大の事件といっても過言ではない、65年の〈ニューポート・フォーク・フェスティヴァル〉における〈エレキ・ディラン・ステージ〉のこと。その模様をフルで収めたDVD「The Other Side Of The Mirror : Bob Dylan Live At The Newport Folk Festival 1963-1965」(Columbia)がリリースされたことも事件だった。タイトルどおりディランが出演した3年間のステージが収められており、そのスタイルが徐々に変化していく様子も生々しく記録されている。

4. 例のベスト盤 
ディランの全キャリアから名曲が厳選された最新ベスト盤『Dylan』(Columbia)のこと。CD1枚版と3枚組の2タイプがリリースされ、それぞれ初級編と中級編として、新しいファンにも重宝された。

5. トラヴェリング・ウィルべリーズ 
ディランが、ジョージ・ハリソン、トム・ペティ、ジェフ・リン、そしてロイ・オービソンと組んだスーパー・バンドのこと。各人の契約問題から〈謎の覆面バンド〉として登場した際には、メンバー各々がウィルベリー姓を名乗っていた。2007年には、長らく入手困難だったアルバムの音源をコンプリート収録して未発表曲も加えた『The Traveling Wilburys Collection』(Rhino)が編纂され、全米9位/全英1位というリイシュー盤では異例の大ヒットを記録した。

6. ディラネスク 
ディランの信奉者であるブライアン・フェリーが2007年に発表したディラン・カヴァー集『Dylanesque』(Virgin)のこと。長年の夢だったというこの企画の実現に対して、ディラン・ファンも温かい拍手を送った。

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