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第296回 ─ 北の国から 2008 衝撃

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/02/21   19:00
ソース
『bounce』 295号(2008/1/25)
テキスト
文/加藤 直子

父さん、極寒の北海道からやって来る最近のロック・バンドは、とてもカッコイイわけで……

 sleepy.abやmonobrightをはじめ、北海道出身のバンドが日本のロック・シーンでめざましい活躍を見せている今日この頃。なかでも押さえておきたいバンドの注目作を紹介します!

 まずはダンス・ミュージックのエッセンスをフォーキーなバンド・サウンドに落とし込む、サカナクションのセカンド・アルバム『NIGHT FISHING』。前作以上にメロディアスな部分を押し出し、いっそう多彩なサウンドが聴けるようになりました。特に“ナイトフィッシングイズグッド”は、彼ららしい透明感のあるミディアム・チューンと思わせて、突如クイーン“Bohemian Rhapsody”的なオペラ風のコーラスワークとブライアン・メイを彷彿とさせるエレガントなギター・フレーズが飛び出す、カッコ良すぎて笑っちゃうダンス・ロック巨編! 次に、札幌から東京に拠点を移して初のアルバムとなるThe Jerryの『AWAKE』も聴かなきゃ損。東京スカパラダイスオーケストラの加藤隆志をプロデューサーに迎えた本作は、とんでもない音圧でソリッドな男臭さを滲ませるロックンロールのオンパレード。なりふり構わず暴れるドラムやギターの無骨さには、ロマンティックな男気を感じちゃうわけです。そして最後は、今年ブレイク間違いなし!と噂の叙情派バンド、tacica。昨年一部の地域で限定リリースされたミニ・アルバム『HUMAN ORCHESTRA』がロングセラーとなり、このたび全国流通開始&同時にニュー・シングル『黄色いカラスe.p.』を発表しました。心のひだにそっと寄り添うような優しいギター・ロックに耳を惹きつけられるのは、彼らの秀でたメロディーセンスがあってこそ! 丹念に選ばれた素敵な言葉が並ぶ歌詞も、女心をくすぐられちゃいます。

 いまかなりキテる道産子勢。どうぞお聴き逃しなく!