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第292回 ─ ABANDON BUILDING

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/02/07   14:00
更新
2008/02/07   17:48
ソース
『bounce』 295号(2008/1/25)
テキスト
文/大久保 洋二

良質なポスト・ロックだけをお届けするよ!!

 さまざまなジャンルのエッセンスを抽出し、既存のフォーマットに囚われない革新的な音作りで僕らの好奇心を刺激してくれるポスト・ロック・シーンにおいて、もっとも旬なレーベルであるアバンダン・ビルディングがリリース・ラッシュを迎えている。まず、レーベル・オーナーがセット・イン・サンド名義で新作『Nothing Against The Ocean』を発表。エレクトロニカを下敷きにブレイクビーツを織り交ぜ、そこに温かみのあるアコギやシンセの音色で味付けした最高にポップな仕上りで、流石というか、何というか……。

 一方、そのオーナーに見い出され、いまやレーベルの顔役ともなった美メロ・フォークトロニカの最高峰、ドフもEPにリミックス音源をプラスした編集盤『Red Pine Pasture』をリリースしたばかり。リミキサーには先のセット・イン・サンドやロウ・イン・ザ・スカイなど、ファミリーが大集結! また、新曲では本人による初のヴォーカル・トラックが披露されるなど、間口を広げたドリーミーな一枚となっている。今年のポスト・ロック・シーンもこのレーベルを中心に動いていくことは間違いないだろう。