聴けば聴くほど味が出る、そんなスルメ的なバンド知ってる?

何かの拍子で思わず発してしまう〈ナンじゃコレーッ!?〉。その言葉のニュアンスは、対象となる物の性質によってあれこれと変化するわけですが、APOGEEの音楽――エッジーなギターとトリッキーなキーボードで彩られたガッツ溢れるインストゥルメンタル、永野亮(ヴォーカル/ギター)のメロウ・マインドを存分に込めた柔らかな歌声、という相反するような2つのチャームを軸に形成されている――を初めて聴いたときに思わず発した〈ナンじゃコレーッ!?〉は、たとえば、チョコがかかった柿の種を食べた時の感覚に近い。一見、食べ合わせが悪そうだなと思いつつ口に運んでみると意外にイケるっていうそれ。でもって、その手のものは、ハマると徹底的にハマるものであって……。
2006年の暮れ間近にファースト・アルバム『Fantastic』が発表され、そろそろおかわりが欲しいなあと思っていた矢先の2008年新春、セカンド・アルバム『Touch in Light』が登場した。今作では、APOGEEの柱である2つのチャームがマイルドにブレンドされた……というわけでもなく、それぞれの世界観がお互い遠慮ナシにスケールアップ。さらに細かい部分にズームすれば、歌詞のノリや楽器の音色も丹念に練り上げられ、ひと回り大きくなった彼らが記録されている。“Spacy Blues”“Creatures(What Are We?)”といったナンバーで匂わせる〈80年代感〉も、いわゆるエレポップでもなし、シティー・ポップでもなし、っていう絶妙な落とし込み加減。うまく説明できないけれど、初めて聴いたときより、2度目以降にググッと胸に迫るものを感じるアルバムなのだ、なぜか。