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第288回 ─ Gucci Mane

連載
NEW OPUSコラム
公開
2008/01/31   21:00
ソース
『bounce』 295号(2008/1/25)
テキスト
文/狛犬

元祖トラッパーがついにメジャー侵攻!!


  現行トラップ・ホップの大元はどこ?と考えれば、ヤング・ジーズィを従えて2005年に“Icey”をヒットさせたこのグッチ・メインの名が挙げられる。そもそもアラバマ出身でアトランタを拠点にラップ活動を開始した彼は、件の“Icey”後にジーズィと仲違いし、同時期に起こった殺人事件に連座したとして活動を制限され、あっさりブレイクの機会を逃していた。最終的に容疑は晴れたものの、巨大化していくジーズィを横目にグッチは地道にローカルで活動してきたのだ。が、ここにきてリュダクリス&リル・キムをフィーチャーした“Freaky Gurl(Remix)”のヒットを弾みに、まさかのメジャー・デビュー・アルバム『Back To The Traphouse』が登場! 故ピンプCやラトーヤ、同マネージメントに属するゲームの参加というメジャー産らしい豪華さもありつつ、不穏さをルーズに吐き出すようなロウなラップそのものを魅力の中心とする作りは不変だ。ゼイトーヴェンら馴染みのトラップメイカーに加え、無名クリエイターを多数起用している点にも注目だろう。何にせよ、遅れてきたトラップ・スターのギラギラしたヤバさを存分に喰らっていただきたい。

▼グッチ・メインの近作。