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第135回 ─ マッド・マイクが語り倒すURの新作、そのスピリット

すべて必聴! 着実に侵攻していくUR~サブマージの近作に撃たれろ

連載
360°
公開
2008/01/17   20:00
ソース
『bounce』 294号(2007/12/25)
テキスト
文/石井 隆弘、石田 靖博

UNDERGROUND RESISTANCE 『Interstellar Fugitives 2 -Destruction Of Order』 Underground Resistance/Underground Gallery(2005)
98年の名盤『Interstellar Fugitives』から7年の時を経てリリースされた続編。何とレコーディングは日本で行われたそうで、前作の流れを組むエレクトロからギャラクシー2ギャラクシー名義を思わせる美しいトラックまで、まさにURの全貌が確認できる作品となっている。
(石井)

『DJ Dex a.k.a. Nomadico - Invisible Showcase Vol. 01 Part: One』 Underground Resistance/Underground Gallery(2006)
このたびの〈Electronic Warfare 2.0〉でも抜群の存在感を発揮しているDJデックスは、UR軍団のDJ陣のなかでもズバ抜けたテクニックを持ち、マッド・マイクからの信頼も厚い男だ。UR関連ヒットをヒップホップ上がりのテクで次から次へと繋いでいく、このミックスCDでのプレイも圧巻の一言である。
(石井)

『Radio UR... Vol.01 Mixed By DJ Skurge』 Underground Resistance/Underground Gallery(2007)
UR064ことアクアノーツのフロントマン、DJスカージによるミックスCD。いまは亡きドレクシアの遺伝子を受け継ぐ彼は、若手でありながらもすでにURには欠かせない存在となっている。今作にマッド・マイクがMCで参加していることからも、彼に寄せられた期待の高さは窺えるだろう。
(石井)

DJ3000 『Blood And Honey』 Motech/Underground Gallery(2007)
DJロランドの離脱後にURのメインDJとなったDJ3000が、自身のレーベルから発表した現時点での最新作。先日のミックスCD〈The Detroit Connection Pt. 2〉でも聴かせた疾走感溢れるフロア・チューンだけでなく、純デトロイトあり、ダウンビートあり、お得意のエスニック風味全開チューンあり……と底の深さをアピールしている。
(石田)

『Follow The Leader Two』 Submerge(2007)
URやレッド・プラネット、エレクトロファンクなどはもちろん、トランスマットやKMSなどデトロイトの著名レーベルの流通を一手に束ねるプラットフォーム=サブマージの新鋭中心カタログ第2弾。テック・ブラザーズやDJスカージ、ドゥミニー・ドゥポールといった名前が並ぶなか、やはりマッド・マイクの秘蔵っ子であるプラン(ソート・クリミナル)が最注目。
(石田)

DARK ENERGY 『Collided Energy』 Underground Resistance/Submerge(2007)
古くからURを支えてきた重要人物で、何度も来日してUR精神の伝承に努めているサバーバン・ナイトことジェイムズ・ペニントンによる別プロジェクトのファースト・アルバム。軍団お得意のゲットー・ベースからギャラクシー2ギャラクシーを彷彿とさせるスケールの大きなトラックまで、どこを切ってもUR節が全開の一枚だ。
(石井)

BLAK PRESIDENTS 『Fight The Future』 Submerge(2007)
もともとロックをルーツとするマッド・マイクも演奏に参加したブラック・ロック・バンド。メンバーに名を連ねるのはレイ7やドゥミニー・ドゥポールらで、サウンドこそエレクトロニック・ミュージックをベースにしたものではないが、投げ掛けてくるメッセージは他のUR勢と同じである。マイクにとっては原点回帰とも言える一枚だ。
(石井)

LOS HERMANOS 『Traditions & Concepts』 Submerge/SOUNDSCAPE(2007)
UR一派最大のヒット・チューン“The Knights Of The Jaguar”を生んだDJロランドの離脱後、ジェラルド・ミッチェル単独となったロス・ヘルマノスが放ったセカンド・アルバム。昂揚感溢れるデトロイト風味のシンセ、ファットな音質の4つ打ち……と日本人好みのデトロイト・テクノを頑固に継承中。
(石田)

MR. DE' 『Holi-De'』 Electrofunk/Submerge/SOUNDSCAPE(2007)
日本ではマッド・マイクの姿勢を重視するあまり、デトロイトそのもののイメージまで非常に知的なものとなっているが、かの地の痴的さを証明するのが下半身直結のエレクトロ~ゲットー・ベースを司るディ氏だ。が、サブマージ代表でもある彼がこの2作目で聴かせるのは、何とメロウかつジャジーなテック・フュージョン! 人は皆オトナになるのさ。
(石田)

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