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第72回 ─ ソナー・コレクティヴ10周年!

第72回 ─ ソナー・コレクティヴ10周年!(2)

連載
Discographic  
公開
2007/12/13   20:00
ソース
『bounce』 293号(2007/11/25)
テキスト
文/青木 正之、櫻井 誠、出嶌 孝次

MICATONE 『Is You Is』(2003)
当初はステファン・ローガルも在籍し、彼主宰のノー・ゼッションから2001年にアルバムを発表していたソナーきっての古株。この2作目でも当時のレーベル・カラーを体現するクールでモーダルなジャズを快演。3作目の『Nomad Songs』以降はほぼ構成員のかぶるナイロンでの動きが活発のようだ。
(出嶌)

FORSS 『Soulhack』(2003)
この当時まだ23歳だったフォルスが、ラップトップを武器に作り出したファースト・アルバム。凶悪に切り刻まれたサンプルとバロウズ的なカット&ペーストを駆使したIDM系のブレイクビーツ・サウンドは、かのジャイルズ・ピーターソンから〈フーリガン・ジャズ〉なんて賛辞も頂戴しました。
(櫻井)

GEORG LEVIN 『Can't Hold Back』 (2003)
ワフーでも活躍するシンガー/プロデューサーの初作で、ちょっぴり黒いフィーリングが格好良いブルーアイド・ソウル盤。ここにはハウス寄りの楽曲が多いものの、ここでデュエットしているクララ・ヒル同様にフォーキー路線でもハマりそうな良い声をしています(聴いてみたい)。
(櫻井)

DEYAMPERT 『Shapes & Colors』 (2003)
ムーディー&ジャジーな大人のブレイクビーツ~ハウス・サウンドが楽しめる一枚。特にシャーデーなどを思わせる雰囲気の“It's You”は、ゆったりしたイントロからハウスへと切り替わるナイスな展開もあってシングル・ヒット。〈Secret Love〉系のアコースティック曲も収録されています。
(櫻井)

AME 『Ame』(2004)
数々のコンピやミックスCDにライセンス使用された超モンスター・トラック“Rej”を放って脚光を浴びたアームのファースト・アルバム。肝心の“Rej”は収録されていないものの、“Mifune”や“Sarai”など珍名の好トラックを満載し、世のテック・ハウス人気をリードすることになった重要作です。
(櫻井)

UMOD 『Enter The Umod』(2004)
ディーゴと共にウェスト・ロンドン界隈で活躍するドムことドミニク・スタントンが別名義で放った一作。他にもヨトコやバクラなどの名義を使い分けて、テクノやハウス、ブロークン・ビーツなど高水準の作品を連発する彼だが、ここではヒップホップ色も強いキレのあるビートが特徴的だ。
(青木)

PLATNUM 『Rock Me』(2005)
ベニー・シングスに先駆けて、ソナーのポップスへの傾倒を表明した作品。エレクトロやヒップホップ、R&B調のトラックに乗せて、愛くるしいキャラクターとは対照的にしっとりとセクシーな歌を聴かせる。クラブ・ミュージックとして捉えることも可能だが、やはり異彩を放っている一枚。
(青木)

BENNY SINGS 『I Love You』(2005)
イイ意味で期待を裏切った衝撃的な作品! ギルバート・オサリヴァンと区別がつかないほど爽やかな歌声によるエヴァーグリーンなポップ・チューンの数々は、もはやクラブ・シーンから完全に逸脱。レーベルがボーダレス化していくことの高らかな宣言とも取れる、傑作ポップ・アルバムです。
(青木)