ジャパニーズ・シューゲイザー・シーンのホープ。歪みまくったノイズ・ギターで踊れ!

マイ・ブラディ・ヴァレンタインを中心に80年代後半からムーヴメント化したUKのシューゲイザー・シーン。90年代中盤にはその熱も一段落したが、現在欧米を中心にリヴァイヴァルの兆しを見せている。ここ日本でも新世代のシューゲイザー・バンドが次々と登場しはじめ、ブレイク寸前!といった状況のなか、シーンの盛り上がりのカギを握る大本命のニューカマー、nanocycleがこのたびファースト・アルバム『something burning』をリリースした。シューゲイザーと言えば……なフィードバック・ノイズによる力強い轟音はもちろん、メロディーやアレンジの妙も実にハイクォリティー。ダンス・ビートを採り入れたマンチェなヴァイブや男女ヴォーカルが調和したフロアにも対応する絶妙なグルーヴ感など、心地良い浮遊感とつい飛び跳ねたくなるようなポップネスが絶え間ない轟音の中に渦巻いている。単なる懐古主義ではなく、型にはまらない現代っ子的な柔軟性が新鮮に感じられる作品だ。