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第131回 ─ アヴェンジド・セヴンフォールドと巡るオレンジカウンティ

連載
360°
公開
2007/11/15   20:00
ソース
『bounce』 292号(2007/10/25)
テキスト
文/塀戸門家

オレのほうがゴツイって!!

 2005年にリリースされた前作『City Of Evil』がゴールド・ディスクを記録し、あれよあれよという間にアメリカン・メタル/ハード・ロック界のヤング・アイコンと化したアヴェンジド・セヴンフォールド(以下A7X)。このたびのニュー・アルバム『Avenged Sevenfold』はセルフ・タイトルを冠し、メンバーみずからがプロデュースに挑んだ一枚ということもあってバンドの命運を賭けた勝負作と見ることもできるが、どうもここ日本における彼らの評価は〈ガンズ・アンド・ローゼズの再来〉だとか、〈ポスト・メタリカの再右翼〉などと言われ、既存の大物ロックスターの焼き直し的な側面ばかりが強調されすぎているきらいがある。

 しかし、(これはどのアーティストにも共通して言えることだが)単なる焼き直しでは決して成功を掴むことはできないハズであり、その裏には長年に渡る地道な活動によって築かれた確固たるファン・ベースが必ずや存在するものだ。ニュー・アルバムと同時期に日本盤化されるキャリア初のDVD「All Excess」は、青い空と海、白い砂浜といった素晴らしい環境に恵まれたA7Xの地元・ハンティントンビーチをバックに、バンドの結成話や彼らを産み育てたオレンジカウンティ(以下OC)のパンク/ハードコア・シーンについての本人たちのコメントを交え、ブレイクまでの軌跡を辿ったドキュメンタリーに仕上がっている。これを観れば彼らがいかにしてパンクなDIY精神を保ちつつ、熾烈なミュージック・ビジネス界を闘い抜いてきたのかが一発で理解できるはずだ。今回は〈世界でもっとも危険なロック・バンド〉と呼ばれているA7Xの真の姿を知るために、その補足的な意味合いも込めて彼らのバックグラウンドとなったOCのパンク/ハードコア・シーンを案内しよう。

▼アヴェンジド・セヴンフォールドの作品を紹介。